Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
21世紀の有機合成研究においては「環境に調和適合した合成法の開拓は重要な研究課題である。本研究は、環境重視型合成反応の開発として、煩雑な保護-脱保護のプロセスを省ける連続結合形成反応に着目し、有機合成反応を効率化する新しい手法の確立を目指してきた。今回は、四置換炭素中心の構築と、その炭素中心の立体制御を課題として、新規タンデム反応の開発研究を行った。特に、電子的性質が異なる二つのラジカル受容体を有する基質をデザインし、そのタンデム反応の立体制御研究を行った。一般に、両末端に反応部位を有する基質は、ジグザグ構造を安定に取るため閉環反応には適していないが、基質の中心部にルイス酸と配位する基を導入することより、基質が安定な折り畳み構造に変化して、ラジカル閉環反応が速やかに進行することを見出した。本反応は、四置換炭素中心の不斉構築にも有用であり、Boxリガンドと亜鉛ルイス酸を用いた場合に、良好なエナンチオ選択性で反応が進行した。そこで、アリル位に不斉炭素を有する基質やラジカル受容体を二重結合から三重結合に変えた基質のタンデム反応を検討したところ、反応は速やかに進行し、高収率で目的の不斉四置換炭素を有する環化体が得られた。次に、対称な基質の非対称化過程を伴うラジカル環化反応を検討した結果、エナンチオ選択性は低いものの目的の環化体が主生物として得られた。さらに、キラルなルイス酸の必要量を検討したところ、ルイス酸を0.3等量まで減らしても、エナンチオ選択性が良好に維持されることが判明した。
All 2006 2005
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