Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究課題の対象であり、小児の巨核芽球性急性白血病の原因遺伝子である転写コアクチベーターMKL1(megakaryoblastic leukemia 1)の発癌機構の解明を目的として、平成17年度は以下の解析を行った。MKL1タンパク質の機能を調べるために酵母two-hybrid法を用いて新規MKL1結合タンパク質の同定を行った。その結果、ユビキチン様の翻訳後修飾分子であるSUMO-1(small ubiquitin-related modifier-1)の修飾酵素であるUBC9(ubiquitin-conjugating enzyme-9)の遺伝子が得られた。また、大腸菌発現系で作成した組み換えタンパク質によるGST pull down解析からMKL1は実際に物理的にUBC9と結合することが判明した。次に、UBC9の作用によりMKL1がSUMO-1化修飾を受けるか否かを培養細胞系および組み換えタンパク質を用いた反応系を用いて解析した。その結果、MKL1はUBC9依存的にSUMO-1化修飾を受けることが分かった。さらに、MKL1のSUMO-1化修飾の生理的意義を解析するために、SUMO-1化修飾を受けない変異型MKL1を構築し、その転写コアクチベーターとしての機能を野生型MKL1と比較した結果、著しく転写コアクチベーター活性が上昇していることが判明した。以上の結果から、MKL1はUBC9と結合することによりSUMO-1化修飾を受け、その転写活性が抑制されていることが明らかとなった。上記の研究結果は、Genes to Cells誌〔Vol.10,pp835-850(2005)〕に発表した。
All 2005
All Journal Article (1 results)
Genes to Cells 10・8
Pages: 835-850