エイコサペンタエン酸(EPA)の上皮細胞シート形成における生理的意義の解析
Project/Area Number |
17790053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 貴雄 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (50361605)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 線虫 / リン脂質 / 高度不飽和脂肪酸 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、線虫C.elegansを用いた遺伝学的解析およびPAF-2ノックアウト動物を駆使して、エイコサペンタエン酸のような高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質が、上皮細胞のシート形成にどのような役割を果たしているかを分子レベルで明らかにすることである。 本年度は、まず、上皮細胞の異常と高度不飽和脂肪酸の関連を明らかにするため、線虫を用いて高度不飽和脂肪酸欠失状態を作出し、高度不飽和脂肪酸の欠乏によって影響を受ける蛋白質を網羅的に探索した。この結果、上皮細胞のギャップジャンクションに存在する、ある特定の膜蛋白質を候補分子として得た。本分子を発現抑制した際に得られる表現型は、高度不飽和脂肪酸欠乏条件下においてのみ観察されることから、本分子機能は高度不飽和脂肪酸を含む膜環境を要求するものと考えられた。 一方、哺乳動物におけるPAF-2の機能を明らかにするため、PAF-2ノックアウトマウスを作製し、解析を行った。PAF-2は哺乳動物においても腎臓、腸管、肝臓などの上皮細胞、極性細胞に高発現していたが、通常の飼育条件下では見た目上表現型を示さなかった。そこで、LPSを用いて腎臓の上皮細胞にストレスを与えたところ、腎障害からの回復過程に異常を来すことが分かった。また、四塩化炭素を投与することにより肝実質細胞に障害を与えた場合にも、肝障害からの回復過程に異常を来す結果が得られた。従って、PAF-2は上皮細胞や極性細胞が障害から回復する過程において、何らかの機能を有している可能性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)