生体膜における脂質配向性を制御するフリップ・フロップの分子機構の解析
Project/Area Number |
17790082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷川 顕子 (山路 顕子) 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 研究員 (20332314)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ホスファチジルセリン / フリップ・フロップ / 形質膜 / 耐性株 / 脂質配向性 / 蛍光標識脂質 / 細胞死 / ホスホリパーゼ / 変異株 / 脂質輸送 / 細胞毒性 / リン脂質 |
Research Abstract |
生体膜における脂質分布は不均一であり、例えば形質膜ではホスファチジルセリン(PS)などのアミノリン脂質は脂質二重層の内葉に偏って局在していることが知られている。また、脂質配向性は細胞の状態や細胞外からの刺激などに応じてダイナミックに変化することから、様々な生理機能と深く関わっていると考えられている。このような生体膜の非対称性は、脂質が二重膜を横切って移動するフリップ・フロップと呼ばれる機構により制御されていると予想されているが、その分子メカニズムはあまり明らかになっていない。本研究では、細胞外からの過剰なPS添加が細胞毒性を持つことに着目し、PS耐性変異株を解析することにより、フリップ・フロップの分子機構や生理的意義の解明を目指している。 これまでの生化学的・細胞生物学的な性状解析から、PS耐性株は細胞外PSに対する感受性が親株の約2倍低下しており、形質膜外層に挿入した蛍光標識PSアナログの細胞内への取り込みが著しく遅延していることがわかっている。このPS耐性株はフリップ・フロップに関わる何らかの因子に異常があるものと予測され、その責任因子の同定に着手した。親株およびPS耐性株から膜画分・細胞質画分・分泌蛋白質画分を調製して電気泳動により比較したところ、細胞質蛋白や分泌蛋白には大きな違いは認められなかったが、膜画分では発現量に差のあるバンドがいくつか見出された。現在、それらがどういう分子であるかを同定するべく更なる解析を進めている。また、PSによる細胞死のメカニズムについて解析したところ、カスパーゼ依存的ないわゆるアポトーシスではないことがわかった。虚血による細胞死はカスパーゼ非依存的なプログラム細胞死であり、ホスホリパーゼA2が関与していることが報告されている。阻害剤や抗体を用いて検討したところ、PSによる細胞死にもホスホリパーゼA2が関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)