ヒストンのアセチル化により遺伝子発現を制御するリガンドの創製と医薬への応用
Project/Area Number |
17790092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90372838)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 有機化学 / 酵素 / 遺伝子 / 発現抑制 / 癌 |
Research Abstract |
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)には18種類のアイソフォームが知られているが、アイソフォーム選択的HDAC阻害薬は、各アイソフォームのより詳しい機能の解明に有用であり、副作用の少ない抗がん剤としても期待できる。本研究では、HDACアイソフォームの一つであるHDAC6に着目し、その阻害薬の創製を目的とした。昨年度までに見出したHDAC6選択的阻害薬をリード化合物とし、HDAC6選択的阻害薬を設計・合成した。その結果、さらにHDAC6選択性の高い化合物を見出した。HDAC6は、乳癌細胞における発現が多いことが報告されていることから、現在、HDAC6阻害薬の乳癌細胞への効果を調べているところである。 また、HDACファミリーの酵素であるSIRTは、テロメア領域のピストンをNAD^+に依存して脱アセチル化することにより遺伝子発現を制御し、老化に関与することが示唆されている。一方でSIRTアイソザイムの一つであるSIRT1は、非ヒストンタンパクであるp53を脱アセチル化し、その活性を抑制することも報告されている。最近、SIRT1が転写抑制因子のBCL6の脱アセチル化を行い、血液系癌細胞の増殖に関与することも明らかにされた。したがってSIRT阻害薬は、SIRTの詳しい機能を解明するための生物試験用試薬としてだけではなく、新たな作用機序の抗癌剤としても期待される。本研究において、ベンズアミド・フォーカストライブラリーの酵素阻害活性評価を行った結果、全く新規な構造のSIRT阻害薬を見出した。本化合物をリード化合物とし、SIRTホモログの結晶構造を基に、いくつかの誘導体を設計・合成し、酵素阻害活性評価を行った結果、強いSIRT阻害活性を持つ化合物を見出した。それらの化合物は、ヒトがん細胞であるDaudi細胞およびHCTll6細胞に対して、増殖抑制作用を示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)