妊娠期における葉酸の体内動態とトランスポーターの機能評価
Project/Area Number |
17790108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平野 剛 北海道大学, 病院, 講師 (00322826)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 葉酸 / 妊娠 / トランスポーター / 胎盤 / ホルモン / FRα / 輸送 / 防御機構 / BCRP |
Research Abstract |
1.葉酸欠乏時のヒト胎盤由来BeWo細胞における葉酸輸送機構の評価 BeWo細胞における葉酸の取り込みは、pHの低下によって増大する傾向を示した。一方、葉酸欠乏条件下、pH7.5における葉酸の取り込みは顕著に増大した。さらに、メトトレキサートおよびプテロイン酸、すなわち葉酸構造類似物を用いて阻害実験を行い基質特異性について評価した結果、葉酸欠乏条件下において、その取り込みは有意に阻害された。また、葉酸欠乏によってBCRPの量的および機能的変化は認められなかった。以上の結果より、葉酸欠乏によって変化する輸送担体はpH7.4において高い輸送活性および親和性を有しており、pH5.5において活性が増大する輸送担体とは異なるものであることが示唆された。葉酸欠乏時に葉酸取り込みを増大させた輸送担体を同定することを目的とし、FRαおよびRFCのmRNA発現量を比較した結果、葉酸欠乏時にはそれら両者ともに減少していることが認められた。 2.ヒト胎盤における葉酸輸送機構 胎盤形成初期の胎盤絨毛に存在するサイトトロホブラスト細胞のモデルとしてBeWo細胞を用いた。RFCの基質であるthiamine pyrophosphate (TPP)は、pH5.5およびpH7.5条件下において阻害効果を示さなかった。したがって、葉酸の取り込みにおいてはRFCの関与は小さく、酸性条件下における葉酸取り込みの増大はFRαを介した輸送であることが示唆された。ヒト満期胎盤BBMVの葉酸取り込みは、BeWo細胞と同様にpH依存性を示し酸性条件下で増大した。FRαを膜から乖離させるPI-PLC処理により、酸性条件下の葉酸取り込みは顕著に減少した。さらに、TPPはPI-PLC処理後の葉酸取り込みを有意に阻害したことから、妊娠後期における葉酸取り込みはFRαおよびRFCの両者が関与していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)