骨形成における低分子量Gタンパク質、Rho familyの役割
Project/Area Number |
17790148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
福山 亮 Hiroshima International University, 薬学部, 助教 (20389117)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 骨代謝学 / 歯学 / 発生・分化 |
Research Abstract |
これまでの研究において、低分子量Gタンパク質Rho famiIyのサブタイプの1つ、Racのドミナントネガティブ体(Nl7Rac)を骨芽細胞特異的に発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)の解析を行った。N17RacTgマウスの骨量は著しく減少しており、骨芽細胞のRacの機能を抑制することにより、骨芽細胞の走化性の低下と破骨細胞分化能の亢進が原因の一つとして考えられた。 今回、破骨細胞の骨吸収能への影響を検討するため、N17RacTgマウスの尿中デオキシピリジノリン(DPD)濃度の測定を行った。その結果、野生型(Wt)マウスに比べ、N17RacTgマウスで尿中DPD濃度の上昇が認められた。これまでの骨形態計測では、一見、骨吸収能が低下しているかのような結果が得られていたが、骨吸収能が上昇することにより骨量が減少していることが示唆された。 さらに、歯芽において、Nl7RacTgマウスではWtマウスに比べ象牙質の基質産生は起こっているが、前象牙質・象牙質層を形成していなかった。また、N17RacTgマウスでは正常象牙芽細胞は存在せず、球状の形態の象牙芽細胞様細胞が基質中に存在していた。このため歯芽組織切片を作製し、in situハイブリダイゼーション法により、象牙芽細胞の分化マーカーであるType I collagenの発現を解析した。その結果、球状の細胞はType I collagenを発現しており、本細胞は象牙芽細胞であると考えられた。 以上の結果より、骨・歯芽形成細胞のRac機能を阻害することにより、それぞれの細胞は基質産生を亢進するものの、歯芽細胞では細胞形態が維持できない、骨芽細胞では運動性の低下により、正常な歯芽・骨組織を形成できないことがわかった。さらに骨組織においては、破骨細胞の骨吸収能の亢進による骨減少が生じていることが示唆された。Racは骨・歯芽形成に非常に重要な役割を示すと考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)