Project/Area Number |
17790157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Saitama Medical University (2006) National Center of Neurology and Psychiatry (2005) |
Principal Investigator |
伊丹 千晶 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90392430)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 大脳皮質 / 体性感覚野 / 臨海期可塑 / GABA作動性ニューロン / BDNF / Parvalbumin / 機能マップ / 臨界期可塑性 / 活動依存性 |
Research Abstract |
大脳皮質には様々なsensory mapが存在するが、このような機能マップは活動依存的に変化することが知られている。げっ歯類の体性感覚野には頬髭の受容野であるバレルマップが存在し、マップ編成が最も顕著である臨界期において、脳由来栄養因子(BDNF)が発現している。内因性BDNFを欠損することにより、機能マップの発達形成に対するBDNFの役割を解明することを目指している。実験はマウスのバレル皮質より、視床-皮質スライスを作製し、GABA細胞に対して実験を行い、以下の結果を得た。1)発達初期の細胞に対して、電流注入量に対するスパイク発火数、Adaptation ratio(AR), Afterhyperpolarization(AHP)の振幅により興奮性か抑制性かを判断できることが判明した。2)抑制性細胞のfast spiking property(FS)は生後2週以降に発達することが示された。成体マウスのGABA細胞は、ARの高いFS細胞と、ARの低いRegular spiking nonpyramidal(RSNP)細胞の2種類に分けることができるが、生後10日以前ではARの低い(<0.8)細胞のみが存在した。ARの高い細胞は発達につれて次第に増加し、0.8以上のFS細胞は生後約2週以降にのみ記録された。FS細胞のマーカーと考えられているParvalbuminの発現もほぼ同時であった。3)幼若動物では過分極電流によりh電流を呈する細胞が多くその振幅も成体マウスのものより有意に大きかったが、h電流を呈する細胞の割合は発達に従い減少し、その振幅も生後2週以降では成体マウスと同等レベルに減少していた。4)BDNF欠損マウスでは、ARの上昇、h電流の振幅、Parvalbumin(PV)陽性細胞の出現のどの点においても未熟な特徴を示した。5)PV陽性細胞の樹状突起の発達にはBDNFが必要であることが示された。BDNF欠損マウスにおいて、PV陽性細胞の形態学的な検討を行ったところ、軸索支配領域には顕著な差が見られなかったが、primary dendrite数、dendritic branch数に減少が見られた。以上の結果より、BDNFは抑制性細胞の電気生理学的特性の発達に必要であり、これにより皮質内局所回路の興奮性を制御し、機能マップを変化させていることが考えられる。
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