ネクチンとネクチン様分子Necl-5による細胞の運動と増殖の接触阻害の機構
Project/Area Number |
17790187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 わたる 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90362699)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞増殖 / 接触阻害 / ネクチン / Nec1-5 / インテグリン / PDGF受容体 / Necl-5 |
Research Abstract |
Nec1-5は細胞の運動と増殖を促進する免疫グロブリン様の分子である。昨年度の研究において、私は細胞密度に依存したNec1-5と細胞間接着分子ネクチン-3のトランス結合がNec1-5の減少を引き起こし、このことが細胞の運動と増殖の接触阻害の制御機構の一つであることを証明した。本年度の研究では、Nec1-5ががん細胞において過剰発現していることに着目し、がん細胞における接触阻害機構の消失とNec1-5の関係について解析を行った。これまでに私は、がん細胞においてNec1-5が癌遺伝子Rasによって過剰発現されていることを明らかにしている。この過剰発現されたNec1-5はがん細胞の運動と増殖の亢進に寄与しており、さらにがん細胞においてNec1-5は細胞密度に依存して減少していないことが明らかとなった。この減少の抑制の原因は、癌遺伝子Rasによる発現誘導とNec1-5のダウンレギュレーションを誘導するネクチン-3の発現量の低下によるものであった。以上の結果から、Nec1-5の過剰発現はがん細胞の接触阻害の消失の一因になっていると考えられた。また、Nec1-5による細胞の増殖の促進は、増殖因子受容体の下流、Rasの上流に作用していることが明らかとなっていたが、その分子機構は不明であった。本年度の研究では、Necl-5と同様の作用点で機能するRasシグナルの抑制因子Sproutyに着目し、解析を行った。その結果、Nec1-5はSproutyと物理的に相互作用し、この相互作用がSproutyのRasシグナル抑制作用を阻害することが明らかとなった。また、細胞密度に依存してNec1-5が減少し、それに伴ってSproutyによるRasシグナルの抑制作用が発揮されることから、両者の相互作用もまた細胞の増殖の接触阻害の制御機構の一つであることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)