Project/Area Number |
17790201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
清水 孝彦 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40301791)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | パーキンソン病 / MnSOD / ドーパミン産生細胞 / 活性酸素 / Cre-loxP / ミトコンドリア / 神経変性 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患で活性酸素による酸化ストレス傷害が神経毒性にとって重要な病理学的な役割を果たすと考えられている。活性酸素の大部分はミトコンドリア呼吸の副産物として産生され、タンパク質、核酸、脂質といった生体物質に化学反応を起こし、神経細胞の機能不全を起こす結果、神経変性が発生すると考えられている。Mn-SODはミトコンドリア内で活性酸素を処理する主要な防御酵素である。本研究は、ドーパミン産生細胞特異的Mn-SOD欠損マウスを作製・解析することで、酸化ストレス傷害によるパーキンソン病発症の分子メカニズムを解明することが目的である。ドーパミン産生細胞選択的なMn-SOD欠損マウスを作製するために、チロシン水酸化酵素(TH)遺伝子プロモーターの下流にCreリコンビナーゼ遺伝子を組み込んだTH-CreマウスとMn-SOD floxマウスを交配した。尾から抽出したゲノムDNAのPCR解析からホモマウスの作出を確認した。ドーパミン産生細胞選択的なMnSOD欠損の影響を個体レベルで明らかにするために個体寿命を調べた。その結果、ホモマウスは生後3週齢から成長遅延を伴い死亡し始め、生後5週齢までに70%が死亡した。残りの30%は低体重を示すもの生後100日まで生存し、死亡した。欠損マウスのほとんどに尾の筋硬直や後肢の振戦が観察されることから、パーキンソン病の典型的な症状を呈するモデルであることが判明した。次に抗TH抗体による免疫染色でドーパミン産生細胞の脱落を調べたところ、黒質において欠損マウスに著しい変化は認められなかったが、青斑核ではドーパミン産生細胞の顕著な脱落が認められた。抗GFAP抗体の解析では欠損マウス脳の皮質や線条体などの広い領域で顕著なグリオーシスを認めた。以上の結果から、ドーパミン産生細胞特異的MnSOD欠損は青斑核のドーパミン産生細胞の細胞死を引き起こし、かつ広範囲な炎症反応を伴い、筋硬直、振戦などのパーキンソン病の典型的症状を発症したと考えられた。
|