SAGE法で抽出した新規胃がん特異的発現抑制遺伝子の転写制御機構と遺伝子多型
Project/Area Number |
17790235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kure Medical Center (2006) Hiroshima University (2005) |
Principal Investigator |
倉岡 和矢 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), 臨床検査科, 医師 (00397928)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 遺伝子-塩基多型 / 悪性腫瘍 / 胃癌 / リスク / 症例-対照研究 / 分子病理 / エピジェネティック / DNAメチル化 / ヒストンアセチル化 / 一遺伝子多形 |
Research Abstract |
補助金交付期間における研究により、胃癌関連遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化・ヒストンアセチル化の解析に関しては以下の知見を得た。 1 テロメア抑制作用を持ち癌抑制遺伝子の一種と考えられているPINX1はヒト胃癌組織では発現が減少し、PINX1の5'UTRのヒストンH4の低アセチル化が発現減少をもたらすことが示された。 2 胃癌の粘液形質と癌抑遺伝子として作用するhMLH1やMGMT, p16(INK4a),RAR-beta, CDH1のDNAメチル化との関連をmethylation-specific PCRと免疫染色により検討した。その結果、胃癌粘液の1つであるMUC2陰性胃癌ではhMLH1のプロモーターメチル化がより高率であり、MUC2陽性胃癌ではMGMTのメチル化がより高率であり、hMLH1やMGMTのメチル化が胃癌の粘液発現に関与することが示唆された。 3 胃癌におけるレチノイン酸シグナルに関する3遺伝子(RARbeta, CRBP1,TIG1)の役割を検討するためにプロモーターメチル化の解析とmRNAの定量を行った。その結果、胃癌組織や胃癌細胞株ではこれらの遺伝子のプロモーターメチル化による発現低下が非癌部胃粘膜組織に比べ高率に認められ、レチノイン酸関連遺伝子のメチル化異常が胃癌の発生に関与することが示唆された。 癌関連遺伝子の一塩基多型(SNP)と胃癌の発生・進展との関連においては以下の知見を得た。 1 DNAメチル化酵素DNMT3BのプロモーターのSNP(-149C/T)と、アポトーシス関連遺伝子DR4の細胞外ドメインのSNP(Thr/Arg)と胃癌の発生、進展との関連を検討した。PCR-RFLP法とDNA sequenceを使用して遺伝子型の解析を行い、症例-対照研究及び症例-症例研究を行ったところ、これらのSNPと胃癌の発生・進展との間に有意な関連は認められなかった。 2 乳癌患者133例において、HER2のSNP(codon655,Ile/Val)のホモ(Ile/Val)が24%に認められ、同様に乳癌のリスク等との関連を検討する予定である。 又、悪性腫瘍のリンパ節転移を高い特異性で迅速に診断する分子病理学的手法を確立すべく、OSNA(one-step nucleic acid amplification)による検討を行ったところ、従来の組織学的診断法では検出不可能な微小転移が4.0~4.8%認められた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)