Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
生体内でヒト腫瘍間質を有するヒト肝癌モデルの開発を通じて、その腫瘍間質を構成する細胞の起源さらにはその生物学的特徴と癌のプログレッションにおける役割や癌細胞との相互作用を分子レベルで明らかにすることを目的とし、以下の研究を行った。 1.ヒト肝癌における癌間質モデルの確立 ヒト肝癌細胞株を皮下移植したNOGマウスに、マーカー遺伝子EGFPを導入したヒト骨髄間質細胞および各種ヒト線維芽細胞を移入し、7日経過した後、腫瘍を摘出した。共焦点レーザー顕微鏡および免疫染色では、EGFP,ヒト特異的なvimentin陽性の細胞による網状、束状間質の形成が認められた。導入したヒト骨髄間質細胞およびヒト線維芽細胞は腫瘍内に生着し、間質を構成したことが証明され、ヒト由来の腫瘍間質を有する肝癌モデルが確立された。 2.肝癌における癌間質の分子機構の解析 正常肝組織、早期肝癌、進行性肝癌の臨床検体について免疫染色を行ったところ、正常肝組織に比べ、早期肝癌と進行性肝癌においてCD31陽性血管、α-smooth muscel actin(αSMA)の発現量増加が認められ、進行性肝癌では更にcollagen type I とcollagentypeIVおよびCD34陽性腫瘍血管の増加も認められた。また肝癌細胞株、ヒト膵癌細胞株とヒト骨髄間質細胞との混合培養を2週間行い、骨髄間質細胞の形質の変化について免疫染色、ArrayScannVT1による解析およびWestern blottingにて検討した。その結果、ヒト骨髄間質細胞は肝癌細胞と混合培養した後、αSMA, collagen type I 、 collagen typIV、CD31の発現が誘導されることが明らかとなった。これに対し、膵癌細胞と混合培養した結果、CD31の発現誘導は明らかでなかった。間質細胞のCD31の発現誘導は肝癌において特異性があると考えられる。一方、in vivo では、ヒト骨髄間質細胞が移入されたマウス皮下の肝癌では、骨髄間質細胞でのαSMA, collagen type I 、 collagen typIVの発現誘導は明らかでなかった。間質細胞のCD31の発現誘導は肝癌において特異性があると考えられる。一方、in vivo では、ヒト骨髄間質細胞が移入されたマウス皮下の肝癌では、骨髄間質細胞でのαSMA, collagen type I 、 collagen typeIVの発現充進が認められ、類洞様血管の形成がみられた。
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