Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
各種癌における血中抗survivinおよび抗livin自己抗体の陽性率および病態生理学的意義について、昨年度に引き続き症例数および癌種を増やし解析した。各自己抗体の陽性率を、健常者血清の平均濃度+2SDをカットオフ値として調べた結果、両抗体とも幅広い癌種で検出された。すなわち、抗survivin抗体については、乳癌と肝癌で20-30%、食道癌、胃癌や大腸癌で30-40%、膵癌および胆道癌で40-50%、肺癌では60%の症例が陽性であった。一方、抗livin抗体の陽性率は、膵癌(30%)や肺癌(50%)で抗survivin抗体に比べ低いものの、その他の癌種では同等かそれ以上(乳癌と肝癌:30%、胃癌および大腸癌:50%、胆道癌:60%、食道癌:70%)であった。ただし、両抗体の発現量に相関性はみられず、独立したパラメーターと考えられた。このことを反映して、両抗体を組み合わせると、肺癌、乳癌および肝癌症例の陽性率は、単独時に比べそれぞれ70%、50%、45%まで上昇した。さらに、肺癌および胃癌症例において両自己抗体の発現と臨床背景因子との関係について調べたところ、抗survivin抗体はstage Iから検出され、陽性率は臨床病期の進行に伴い上昇した。一方、抗livin抗体については、進行期にのみ陽性例がみられた。また、肝癌発症のハイリスク群であるウイルス性肝炎症例においても、約20%に抗survivinおよび抗livin抗体が陽性であった。すなわち、ウイルス性肝炎症例で両抗体の陽性者を厳密に経過観察することで、原発性肝癌が早期診断できる可能性が示唆された。
All 2007 2005
All Journal Article (3 results)
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10019481399
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