Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
近年、日本では、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病が増加しており、動脈硬化性疾患の急増が危惧されている。我々は、これら日本人の肥満関連疾患の増加の原因として、高炭水化物食が影響を及ぼしている可能性を示唆してきた。そこで、高炭水化物食が肥満、メタボリックシンドロームに及ぼす影響の解明を目的とした。昨年度の結果を基に、8週齢のマウスのオスに高炭水化物食と対照食を2週間、4週間投与した。体重に関して、投与4週間では、高炭水化物食投与群は対照食投与群に対して有意な体重の増加が認められた。肝臓、副睾丸脂肪組織の重量も有意に増加していた。血液生化学検査でも、中性脂肪、遊離脂肪酸、総コレステロールが有意に高値、HDLコレステロールが有意に低値であった。高炭水化物食で体重、肝臓、副睾丸脂肪組織に有意な増加がみられ、日本人のメタボリックシンドロームの病態に近いと考えられる炭水化物誘導のモデルマウスとなった。肝臓での脂質新生(denovo lipogenesis)を明らかにするため、肝臓での脂質合成関連遺伝子の発現量を比較解析した。脂肪酸合成酵素の中心的役割であるfas、accが高炭水化物食投与群は明らかに高値であった。中性脂肪合成遺伝子であるscd1も有意に高値であった。コレステロール合成遺伝子であるhmgrも有意に高値であった。これらの遺伝子発現解析、血液生化学検査、特に遊離脂肪酸の挙動を総合的に判断すると、肝臓、白色脂肪組織での遊離脂肪酸を介した異常な脂質代謝が行われていることが考えられる。以上のように、同じ摂取熱量でも、高炭水化物食を摂取したマウスは、4週間という短期間に肥満を発症し、肝臓での脂質新生が盛んに行われ、白色脂肪組織との間での脂質代謝異常が考えられた。今後は、白色脂肪組織、膵臓を含めた脂質代謝異常発症のメカニズムを検討する必要がある。
All 2008 2007 2005 Other
All Journal Article (12 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (15 results)
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Journal of Rural Medicine (accepted)(発表予定)