Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
平成18年度前半は,平成17年度のレビュー研究などを元に,針刺し切創の原因鋭利器材制御による職業感染予防策のための,介入手法の標準化,介入を行う専門職への専門トレーニング方法,個別(場面)リスクに対する評価結果などをまとめた.日米比較による足へのリスク評価,研修医の針刺し切創リスクについては,米国の病院感染症疫学の専門学術誌Infection Control and Hospital Epidemiologyにその成果を発表した.2006年6月に行われた国際産業保健学会で,採血時におけるリスク評価,および介入研究の視点について報告し,海外研究者と協議を行った.また,文献レビューによる対策指向型の職場改善手法などについて,質問紙調査表による病院におけるリスク認識評価などをまとめた. H18年度後半はこれまでの介入前後のデータを分析し介入策の効果判定行い,分析結果をもとに仮説の検証を行なった.福岡県にある600床の急性期病院では,01年度から06年度までの6年間に,自主報告による針刺し切創事例を前向きに調査し,安全装置つき器材の導入による効果,および耐貫通性廃棄容器の使用数とその効果を評価した.6年間で327件の針刺し切創が報告されたうち,介入前後では,静脈留置針の針刺し発生数は従来型では7.6件/10万本で,安全装置つき器材導入後は1.4/10万本と有意に減少した.従来型の血糖測定用ランセットは3.6件/10万本で,安全装置つきシングルユースタイプの血糖測定用ランセット導入後は同器材による針刺しは報告されなかった.2003年に廃棄容器を導入し,2005年に容器のタイプを変更した結果,使用量が増加し,それに伴って針刺し切創報告件数が減少し,特に介入による効果評価が得られた. また,エイズ拠点病院を中心とした373病院へ病院の方針・組織つくりに関する調査企画に,2006年5月の評価会議から参加した.229病院(回収率61.4%)の回答から,針刺し切創防止プログラムの実施状況が判明し,今後,組織的な能力の支援とともに,医療従事者の安全性を守る包括的な公的ガイドラインの必要性が指摘された.これらの成果は,2007年6月の米国感染制御実務者会議で報告する予定としている.
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