Project/Area Number |
17790394
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
榎本 美佳 久留米大学, 医学部, 助手 (10360281)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 終末糖化産物(AGEs) / 糖尿病 / 脳・心血管病 / 血栓マーカー / 一般住民検診 |
Research Abstract |
私どもは、世界7カ国強度研究の一環として昭和33年(1958年)より40年以上にわたり福岡県田主丸町において経年的に一般住民検診を行なってきた。また、平成14年より長崎県宇久町で一般住民検診を毎年行なっており、平成16年度にAdvanced glycation end production(AGEs)を約200名に測定した。AGEs(終末糖化産物)は還元糖と蛋白質との間の非酵素的糖化反応の後期段階で生成する構造体の総称で、生体内に存在し、糖尿病血管合併症の発症・進展および神経変性疾患や悪性腫瘍の増殖、転移、浸潤に関与することが明らかとなってきた。しかし、細胞培養及び動物実験かでの報告が主であり、一般住民を対象とした疫学的研究報告はない。そこで、この検診にてAGEsと身体変量、糖・脂質代謝、血栓マーカーとの関連及び予後調査にて脳・心血管疾患の進展との関係を解析し、AGEsがそれらの余地因子となる得るかを検討することで、AGEsの測定が今後の医療現場でさまざま疾患の発症予防に寄与する基礎資料となりうることを目的とする。 平成18年度も7月下旬に長崎県宇久町で年一回の住民検診を行なった。40臍囲上の男女を対象として約200名の住民が受診し、検診内容は身体測定、栄養調査、血圧測定。血液検査(血計・一般性化学検査のほか糖・脂質代謝、高感度CRP、fibrinogen, Plasminogen activator inhibitor-1[PAI-1]、AGEsなど)、心電図、心・頸動脈エコーなど検査を施行した。全てのデータを入力し、肥満度・総皮脂厚といった身体変量、糖・脂質代謝、fibrinogen・PAI-1といった血栓マーカーとAGEs値との関連が認められた。 結果、AGEsの平均値は男性が4.11±0.74U/ml、女性が4.10±0.93U/mlであった。単変量解析にて血栓マーカーであるPAI-1(p<0.05)およびfibrinogen(p<0.05)のみにAGEsとか関連が認められた。 今回の研究において、PAI-1およびfibrinogenがAGEsと正に関連することを明らかにした。血栓マーカーは脳・心血管疾患の発症、すなわち動脈硬化の初期段階で出現する物質であることはさまざまな分野で報告されている。動脈硬化は生活習慣病の1つであり、わが国、日本では人口の高齢化、食生活の欧米化、自動車社会による運動の減少に伴い、生活習慣病は急速に深刻化している。AGEsはこの生活習慣病:脳・心血管疾患と密接な関連を有することが考えられ、今後も検診を行ないサンプル数を増やし、予後調査を含めた研究解析を継続して行ないAGEsと脳・心血管病発症との関係を解明する予定である。
|