飲料水砒素汚染の疫学研究および環境リスクアセスメント(健康影響リスク評価)
Project/Area Number |
17790396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤野 善久 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 准教授 (80352326)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 中国 / 砒素 / 飲料水 / リスクアセスメント / 疫学 / 環境 / 生態学的研究 / がん / 飲料 / 内蒙古 |
Research Abstract |
砒素を含んだ井戸水を飲用することによる慢性砒素中毒による被害が、バングラディッシュ、中国など多くの途上国において問題となっている。本研究では、砒素汚染地域である中国内モンゴル自治区五原県において飲料水砒素汚染による健康影響について調査を実施した。慢性砒素中毒による健康影響として発がん性が知られているが、比較的低濃度の慢性砒素中毒についての健康影響は不明である。本研究では、地域相関研究の手法を用いて、飲料水砒素濃度と死亡率、がん死亡率との関連を検討した。 方法:内モンゴル五原県の砒素汚染地域42の集落において、2001年から2005年までに死亡した住民を住民台帳およびインタビューによって調査した。死亡者の死因について家族から詳しい情報を得た。さらに2006年における人口静態統計(性、年齢)を調査した。また対象の集落の井戸水(n=1484)について現地の衛生機関が砒素濃度を測定したデータの提供を受けた。これらのデータを用いて、集落ごとの粗死亡率、年齢調整死亡率、標準化死亡比(SMR)を算出した。標準化に際しては調査した集落全体を年齢調整の基準集団として用いた。 結果:集落の井戸の平均濃度は0.035mg/1〜0.172mg/1とWHOの水質基準値である0.01mg/1と比べて高かった。5年間の粗死亡率(累積)は、7.8/1000人〜64/1000人であった。また、年齢調整死亡率は6.2/1000人〜73.4/1000人であった。SMRは0.42〜1.75であった。SMRが1より高くなるリスクは、砒素濃度が0.10mg/以上では、それ以下と比較してオッズ比=5.5(95%CI:1.05,28.9),p=0.044であった。 結論:砒素濃度が高い地域では高い死亡率との関連が示された。比較的低濃度の慢性砒素汚染においても健康影響があることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Arsenic in drinking water and peripheral nerve conduction velocity among residents of a chronically arsenic-affected area in Inner Mongolia.2006
Author(s)
FUJINO, Y., GUO, X., SHIRANE, K., LIU, J., WU, K., MIYATAKE, M., TANABE, K., KUSUDA, T., YOSHIMURA, T.
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Journal Title
Journal of Epidemiology 16・5
Pages: 207-213
NAID
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