Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
肺血栓塞栓症の院内発症予防のため,肺血栓塞栓症の法医解剖62例の塞栓源につき検討した.62例中60例に下肢の深部静脈血栓を確認した.1例は上肢の深部静脈血栓,1例は帝王切開後の骨盤静脈血栓であった.下肢深部静脈血栓の左右差は新鮮血栓では両肢性:片肢性が43:17例,器質化血栓を含めると55例が両肢発症であった.下肢静脈の各部位における血栓の検出率は腸骨静脈4%,大腿静脈20%,膝窩静脈55%,後脛骨静脈62%,腓骨静脈73%,ヒラメ筋静脈93%前脛骨静脈28器,腓腹静脈39%であり,ヒラメ筋静脈の血栓検出率が最も高かった.またヒラメ筋静脈の還流路に沿って血栓検出率が徐々に低下する関係がみられた.症例の血栓分布をヒラメ筋静脈の還流路(ヒラメ筋静脈,後脛骨静脈,腓骨静脈,膝窩静脈)非還流路の下腿静脈(前脛骨静脈,腓腹静脈),中枢部静脈(腸骨静脈,大腿静脈)に分け血栓の連続性を検討したところ,ヒラメ筋の静脈還流路から血栓が発生して中枢部静脈を閉塞したのち,非還流路の下腿静脈に二次性に血栓が発生し,中枢部静脈の血栓が塞栓化する経過が推察された,以上の結果から,肺血栓塞栓症の院内発症予防として,血栓の好発部位であるヒラメ筋静脈の検索および血栓形成予防が重要であるとともに,同部から還流路への血栓の成長を予防し,最終的に致死性塞栓子の供給源となる大腿部の二次血栓の形成を押さえることが重要と結論した.
|