食道・胃接合部の内腔で限局性に発生する一酸化窒素による周囲組織の障害
Project/Area Number |
17790429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯島 克則 東北大学, 病院, 助手 (60375003)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 硝酸塩 / 亜硝酸塩 / 電子スピン共鳴法 / [Fe-S]クラスタータンパク / DNIC / aconitase / 食道・胃接合部 / 組織障害性 / ラットモデル |
Research Abstract |
1.ラットモデルの作成:昨年までに確立した亜硝酸塩とアスコルビン酸を投与し、ラットの食道・胃接合部に限局して一酸化窒素(NO)を発生させるモデルを用いて以下の測定を行った。 2.ラット胃組織中でのDNIC検出:Dinitrosyl iron complex(DNIC)は、NOが[Fe-S]クラスター構造を持つタンパクと相互作用し反応したときに生体内で生成され([4Fe-4S]+NO→[3Fe-4S]+FeNO)、組織障害性との関連が指摘されており、低温電子スピン共鳴法を用いて検出を試みた。昨年までの検討で、ラット食道・胃接合部において明瞭なDNICのシグナルを認め、その後、さらに定量的な詳細な検討を行い、組織中DNICシグナルの強度は、投与した亜硝酸塩の濃度、及び時間依存性に増加した。 3.ラット胃組織中のaconitase活性:aconitaseは生体でエネルギー代謝を司る重要な酵素で、[Fe-S]クラスター構造を持つ代表的な酵素である。ラットの胃・食道接合部をNOに4時間暴露させた後、組織を採取し、aconitase活性を測定したところ食道・胃接合部からの組織のみで有意な低下を認めた。よって、NOの暴露によって、[Fe-S]クラスター構造を持つタンパクを破壊し、それに伴い酵素活性を阻害していることが明らかになった。 4.ヒトでのDNICの検出:上記のラットの実験が、ヒトでも実際におきているか検討するために東北大学医学部倫理委員会の承認を得てヒトでの研究を行った。10mmolの硝酸塩(日本人の平均摂取量の2日分)を服用し、唾液中の亜硝酸塩の上昇を介して、ヒトの食道・胃接合部を高濃度のNOに曝露させる。4時間後に、内視鏡検査を行い、食道・胃接合部、胃体部から生検組織を採取し、低温電子スピン共鳴法にてDNICシグナルの検出を試みた。その結果、5人中3人の食道・胃接合部でのみDNICシグナルが検出された。これは、ヒトでDNICシグナルが検出された初めてのデータで、ヒトでもラットの場合と同様の機序でNOによる組織障害がおきる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)