Project/Area Number |
17790445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
板倉 潤 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 医学研究員 (30377501)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | HCVレプリコン / NS5A / 臨床症例 / C型肝炎ウイルス / レプリコン / インターフェロン / リバビリン |
Research Abstract |
・本研究では最新のHCV (C型肝炎ウイルス,Hepatitis C Virus)レプリコン系を用いて、臨床症例で認められた種々のHCV遺伝子変異による変化を解析し、臨床データから得られた知見を培養細胞系で再現、これによりHCV遺伝子変異によるHCV増殖制御機構及びそのダイナミズムを解明し、さらにインターフェロン/リバビリン治療抵抗性機序を解明することを目的とした。HCV遺伝子の中でも、特にHCV-NS5A蛋白の変異に注目して解析した。すなわち、NS5A領域に存在するlnterferon Sensitivity Determining Region (ISDR, aa.2209-2248)のアミノ酸変異数は、血中ウイルス量・インターフェロン(IFN)感受性を規定する主要な因子である(N Engl J Med 1995)。さらに、ISDRの特定の部位のアミノ酸変異がIFN治療効果と密接に関連している(J Infect Dis,2001)。一方、HCV複製増殖細胞モデルであるHCVレプリコンにおいても、ISDRへの変異導入により増殖能が大きく変化し、in-vitroにおいてもISDRがウイルス増殖に関連していることが見出されている。しかしISDRのどの部位のアミノ酸変異がHCVレプリコン増殖において機能上重要なのか明らかにはされていない。我々はウイルス量、およびIFN治療効果の異なる様々な臨床症例から得られたHCVのISDR配列をHCVレプリコンに組み込んで、増殖に影響を与えるISDRの遺伝子構造について系統的に解析した。 まず臨床上IFN無効症例、著効症例から得られた様々なNS5A-ISDR配列をレプリコンに組み込み、レプリコンの増殖変化を検討したところ、著効症例から得られた、多数の変異をもつISDRをHCVレプリコンに導入した場合にレプリコンの増殖能は著明に上昇したが、無効症例から得られた殆ど変異のないISDRをHCVレプリコンに導入しても、レプリコンの増殖能は上昇しなかった。次にこれらの変異の中でも、どの変異部位が増殖を規定するcriticalな部位であるのかmutagenesisによる変異導入によって決定を試みた。するとISDR内40アミノ酸において、臨床的観察から最もIFN感受性とウイルス増殖に関連が強いと推察されたアミノ酸2209番目にアミノ酸変異を導入した場合に、HCVレプリコン増殖能は劇的に亢進した。これらの結果からは、ISDRの特定のアミノ酸の変異はHCVの増殖能、およびIFN感受性に関連すること、さらにこれらの解析がin-vitroのHCVレプリコンで可能であること、さらにHCVレプリコンを用いたIFN抵抗性機序解明の可能性、さらにレプリコンを用いたHCV治療効果予測システムの構築などが可能であるものと考えらえられた。
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