血管内皮前駆細胞を用いた肝線維症に対する新しい細胞療法の開発
Project/Area Number |
17790471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中村 徹 Kurume University, 医学部, 助教 (30341332)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞(EPC) / 細胞療法 / 肝線維化 / 肝硬変症 / 肝再生 / CD31 / CD133 / Thy-1(CD90) / 血管内皮前駆細胞 |
Research Abstract |
Wistar系ラットにフェノバルビタール水を1週間自由飲水したのち腹腔内に週2回6週間四塩化炭素(CCl_4)を投与し肝硬変モデルラットを作成した。その後正常ラット骨髄由来血管内皮前駆細胞(EPC)を週1回のペースで尾静脈より合計4回移植し、その間もCCl_4は投与し続け、CCl_4投与開始後71日目に屠殺した。 Azan-Mallory染色による肝線維化率、血清中のIV型コラーゲン値(血清学的肝線維化マーカー)ともにEPC移植群の方がEPC非移植群より有意に低値であり、肝線維化の抑制および肝硬変への進展が阻止された。また、collagen-I, fibronectin,α-SMA, TGF-βの発現量は免疫組織化学的検討でもreal-time PCR法でもEPC非移植群に比しEPC移植群で有意に低下した。さらに細胞外基質分解系の検討をしたところ、EPC自身に活性型MMP-2,MMP-9,MMP-13の強い発現を認め、EPC移植肝ではMMP-9,MMP-13の発現の亢進を認め、MMP作用を抑制するTIMP-1,TIMP-2は抑制されていた。In situ zymographyでは、EPC投与群で強いゼラチナーゼ活性を認めた。線維化の改善に引き続いて起こるであろう肝再生について検討したところ、肝でのEGF,TGF-α,HGF,VEGFのmRNA発現量はEPC非移植群に比しEPC移植群で有意に増加していた。Ki-67陽性肝細胞率はEPC移植により明らかな肝細胞増殖活性の亢進を示した。血液生化学的検査においてもEPC移植群で有意な肝機能の改善を認めた。以上より生存率を両群間で比較すると、EPC移植により生存率は有意に向上した(p<0.05)。EPC移植による肝硬変症を含めた肝線維症治療の有効性が動物実験レベルで明確に示され、本研究の臨床応用の可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)