多発性硬化症の中枢神経内における抗原認識機構の解析
Project/Area Number |
17790569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三須 建郎 東北大学, 病院, 助手 (00396491)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ケモカイン / ケモカイン受容体 / CD26 / 多発性硬化症 / 抗原提示細胞 / 中枢神経 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
多発性硬化症(MS)の病態において、MS疾患モデルであるEAEの病勢に応じてCCL19やCCL21がBBBに発現し、CCR7陽性のナイーブT細胞や抗原提示能を持った細胞の浸潤に関わることが報告され、病巣局所において二次リンパ組織と同様の機序で抗原提示が行われる可能性を考察している。我々は、多発性硬化症(MS)の再発時にCCR7陽性のmemory細胞(Tcmに相当)やマクロファージが髄液中に増加することを報告し、またMS脳病巣の局所の血管周囲にCCL19やCCL21が発現することを証明し、CCR7陽性細胞が神経局所に遊走を促される機序を解明した。また、昔から病態の相違が問題となっていたMSおよび視神経脊髄炎(NMO)において髄液中の各種ケモカイン濃度を検討したところ、MSでは再発時の髄液中のMCP1は対照群と比べて有意に減少していたのに対して、NMO髄液ではMS,対象群と比べて高い傾向が認められた。MCP1はマクロファージの遊走に関わるケモカインであり、またTh2を誘導する事が知られている。NMOは、液性因子であるIgGや補体が病態に関わることが知られ、Th2関連の炎症が関わる可能性が指摘されており、今回の結果と矛盾しない結果であった。MCP1が上昇してマクロファージの浸潤が誘導される事が、NMOの病態にとって重要かもしれない。また、髄液中ではTh1関連のケモカイン受容体CXCR3のリガンドであるIP-10がMSおよびNMO患者で対照群に比して有意に増加していた。我々は以前にCXCR3は髄液中に浸潤するT細胞のほとんどで陽性であることを示しており、Th1細胞の中枢神経系への浸潤に重要な因子と考えている。これらのTh1関連ケモカインはMSに疾患促進的に病態に関わっていると思われた。治療により、MCP1は正常レベルに近づく傾向も見られ、今後治療への応用なども期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)