イノシトール3リン酸受容体欠損マウスのインスリン分泌動態に関する検討
Project/Area Number |
17790614
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 健夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90317909)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | IP3受容体 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
(1)Type Iヘテロ、type IIホモ、type IIIホモのIP3受容体欠損マウス、およびC57BL/6Jの4群を用いて実験を行った。5週齢から10週齢までの食餌摂取量、飲水量、体重の推移は4群間で有意差を認めなかった。10週齢での空腹時血糖およびインスリン濃度に関しても4群間で有意差を認めなかった。(2)グルコース(Glu)刺激時のインスリン分泌反応(GSIS)をin situ膵灌流法にて検討した。Glu 300mg/dlにて20分間刺激した時のGSISのAUCは、野生型と各欠損マウスとの間に有意差を認めなかった。アセチルコリン(Ach)刺激時のインスリン分泌は、Glu 100mg/dl+Ach 1μMで最初の10分間の分泌量のAUCを基礎分泌として、またGlu 300mg/dl+Ach 1μMでの20分間の分泌量のAUCを刺激分泌として比較したが、どちらも野生型と各欠損マウスとの間に有意差を認めなかった。DiazoxideおよびAch刺激時の一過性インスリン分泌反応は、野生型と比べ各IP3R欠損マウスでいずれもインスリン分泌は低下傾向を示したが、有意差は認めなかった。 (3)膵臓の組織学的検討では、H&E、インスリンおよびグルカゴン染色にて4群ともに異常所見を認めなかった。ポリクローナル抗体を用いた免疫染色では、野生型のラ島にIP3Rc type I〜III全てのシグナルが検出された。また、野生型の膵臓およびラ島において、IP3Rc type I〜III mRNA全ての発現が認められた。 (4)2-Aminoethoxydiphenyl(Borate2-APB)は、膵β細胞において小胞体からのCa放出およびストア感受性CaチャネルからのCa流入を阻害することが報告されている。本検討では、マウス膵ラ島を用いて2-APBがインスリン分泌を低下させるか否かを検討した。2-APB投与により、高濃度GluおよびAch刺激によるインスリン分泌は有意に低下した。2-APB投与により、Fura 2によるCa上昇のピークには影響を及ぼさなかったが、その後のCaオシレーションは消失した。2-APBは、膵β細胞においてCaオシレーションを阻害することによりGSISを低下させることが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)