トロンボポイエチンによるGPVI遺伝子の脱メチル化とGPVI発現誘導機序の解析
Project/Area Number |
17790649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
金地 佐千子 佐賀大学, 医学部, 助手 (50363429)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | トロンボポイエチン / 巨核球分化 / GPVI / 血小板 / メチル化 |
Research Abstract |
我々は昨年度までに巨核球へ分化誘導の際、トロンボポイエチン(TPO)がプロモーター領域の脱メチル化によりコラーゲン受容体であるGPVIの発現を誘導することを明らかにした。しかしこれまでの検討はヒト造血幹細胞や細胞株を用いており、生体内で実際血小板のGPVI発現にTPOシグナルがどの程度寄与しているかは分かっていない。 本年度はTPOシグナル欠損患者の血小板における解析を行い、生体において血小板におけるGPVI発現にTPOシグナルが重要な役割を果たすことを明らかにした。症例は6歳女児、鼻出血を機に血小板減少を指摘され、骨髄中に巨核球がほぼ欠損していることから先天性無巨核球性血小板減少症患者(CAMT)が疑われた。遺伝子解析の結果からTPO受容体であるc-Mpl遺伝子に変異は見出されなかった。しかし患者血小板をTPO刺激し、血小板活性化を指標にフローサイトメトリー及びJak2リン酸化ウエスタンブロットで検討したところ、TPO刺激への反応性がほぼ欠損していることが分かった。c-Mp1遺伝子に変異は見出されなかったが、c-Mplタンパク発現がなく、TPOシグナルも欠損していることから臨床的にはCAMTに類似した状態と考え、血小板に特異に発現するタンパク質の発現を調べた。その結果GPIbα,GPIbβ発現はコントロールとの明らかな差が見られなかったが、GPVI発現が著しく低いことが分かった。この結果からTPOシグナルが生体内においてもGPVI発現に重要な役割を果たすことが分かった。c-Mpl発現欠損の原因に関しては、Jak2,AML1などの遺伝子解析を行ったが、変異は検出されなかった。患者のc-Mpl mRNAはコントロール群と同等に発現していることから、なんらかのpost-transcriptionalなメカニズムが示唆されており、引き続き解析を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)