成人T細胞白血病に対するウイルス抗原を標的とした免疫療法の基盤研究
Project/Area Number |
17790651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
野坂 生郷 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90398199)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 成人T細胞白血病 / 細胞傷害性Tリンパ球(CTL) / Tax / Tetramer / 同種造血幹細胞移植 / ELISPOT |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(ATL)は症例によって多彩な病態を呈し、様々な経過をたどる疾患であり、経時的に臨床像とウイルス側、宿主側因子の関連性を検討した。慢性型のATL症例において、自然経過で腫瘍細胞が半分以下に低下した症例において、持続的にTaxに対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が少量であるが、末梢血中に存在していた。さらに白血球数の減少、腫瘍細胞の減少とともに、Tax特異的CD8細胞数の増加を認めた。また宿主因子で抗腫瘍効果を示す可能性のあると考えられているNK細胞の活性化に関与するNGK2DのligandであるULBP1-3,MICA, MICBを測定したところULBP3に弱陽性の結果を得た。HTLV-lウイルス抗原のTaxは、変異や欠失、メチル化などによりその発現が制御されているが、自然経過で腫瘍細胞の減少した症例のATL細胞ではTaxは発現できない構造を示していた。このことは、細胞障害性Tリンパ球が腫瘍細胞のみならずHTLV-l感染細胞の減少に寄与している可能性もあると考えられる。そのことにより、腫瘍増殖の抑制をきたしているのかもしれない。またATLは化学療法に抵抗性であり、特に急性型での予後は平均1年以下である。しかし、約10%の症例では長期生存している症例もある。当施設で多剤併用化学療法を行い、部分寛解ながらも腫瘍の増殖を認めない症例において、CTLの測定をしたところHLA A0201,A2402拘束性のTax特異的CTLを認めた。抗原性の違いがありA0201拘束性のCTLの方がCD8細胞に対する割合が多い所見を得た。このことは抗原拘束性に検出される細胞感度に違いがあり、定量性に評価するには限界が認められる。Taxはワクチン療法などのターゲットとしての可能性はあると考えられるがさらなる検討が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)