樹状細胞を用いたアレルギー疾患治療の基礎的研究:レドックス制御を基盤とした検討
Project/Area Number |
17790667
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宇津木 光克 群馬大学, 医学部, 医員 (40396635)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | レドックス / 樹状細胞 / シグナル伝達 / TH1 |
Research Abstract |
CD4陽性T細胞のサブセットであるTh1とTh2の不均衡によって生じる各種アレルギー疾患・膠原病において、Th1/Th2バランスの制御は、これら疾患の新たな治療戦略と考えられる。本研究は還元型と酸化型グルタチオンの変化、すなわちレドックスがTh1/Th2バランスに与える影響を検討するものである。IL-12はTh1分化に重要な役割を果たしているサイトカインである。末梢血単球由来の樹状細胞において、還元剤投与によりLPS刺激によるIL-12産生は増強され、酸化剤投与によりIL-12産生は抑制された。これはp40およびp35サブユニットのmRNA発現においても同様であった。すなわち樹状細胞おいて、IL-12産生がレドックス制御を受ける事を確認した。一方、IL-23は最近、自己免疫性疾患との関与が認められ、Th1とTh2とは別のTh17サブセットを誘導するサイトカインであるが、IL-23 p19サブユニットのmRNA発現は還元剤・酸化剤投与においても変化せず、IL-23産生はレドックス制御を受けていないことが判明した。 次にIL-23 p19およびIL-12 p40サブユニットの発現におけるシグナル伝達機構を比較検討した。各阻害剤、ドミナントネガティブ、siRNAを用いた検討において、低分子量G蛋白質であるRac1が転写因子であるNF-kappaB p65の転写活性生を負に制御し、IL-23 p19発現を負に制御する一方、Rac1やNF-kappaB p65はIL-12 p40発現には関与しないことが判明した(Journal of Immunologyに発表)。 最後に、樹状細胞とナイーブT細胞との共培養にてT細胞サブセットのプロファイルをIFN-gamma、IL-4の細胞内サイトカイン染色にて検討した。樹状細胞への還元剤・酸化剤投与は、共培養後のCD4陽性T細胞のサブセットには影響を及ぼさなかった。ただし培養条件(autologousでの共培養)によっては酸化剤処置した樹状細胞においてTh2細胞の割合が増加していた。従って、今後はTh1とTh2の不均衡すなわち、Th1優位な条件下での酸化剤投与、あるいはTh2優位な条件下での還元剤投与でのT細胞サブセットの変化を検討し、レドックスによるTh1/Th2バランスの制御が可能か検証していく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)