Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
本年度は造血幹細胞移植細胞とポリコーム遺伝子群との関連を検討した.昨年度に得たマウス骨髄細胞培養系モデルを用いた基礎データに基づき,以下のとおりの研究を実施した. (1)ヒト骨髄細胞および膀帯血造血細胞のポリコーム遺伝子群(Bmilとmel-18》のmRNA発現量を定量的PCRで解析し,核内蛋白をフローサイトメトリーで解析した.結果,マウスモデルの基礎データと同様にBmilをもつ骨髄細胞はMel-18が少なく,Mel-18をもつものはBmilが少ないという結果を得ることができた. (2)またヒト骨髄細胞および臍帯血造血細胞を各分化段階で純化し,ポリコーム遺伝子群(BmilとMel-18)のmRNA発現量を定量的PCRで解析した.興味深いことにより未分化な幹細胞にはMel-18が少なくBmilが多いという結果を得ることができた. (3)臨床上骨髄移植で用いる骨髄移植源は様々な細胞群からなる.この細胞群のポリコーム遺伝子群の発現バランスを解析し,細胞数や表面抗原ではなく,転写制御因子から細胞機能予測が可能か否かを解析した.結果、Bmil/Mel-18比が高い場合は造血幹細胞の自己複製能に運命決定付けられた細胞が多いため,分化して末梢に反映されるまでの時間がかかり,Bmil/Mel-18比が低いということは,造血幹細胞が分化に運命決定付けられた細胞もしくは前駆細胞が多く含まれているために,造血回復が早いという結果を得ることができた. (4)現在は上記の結果を論文投稿準備中であり,更にそのメカニズム解析のため,下流の遺伝子発現をRT-PCRで解析中である. 本研究結果を踏まえ来年度は,蛋白輸送ペプチドであるTATとポリコームの融合蛋白を作成し,血液学の聖域である造血幹細胞の分化と自己複製をコントロールすることに挑戦する計画である.
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