Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.GVHDマウスモデルの作製と病態推移の把握donorをC57BL/6、reciientをBALB/cとし8.5Gyの全身放射線照射後の骨髄細胞2x10^7個を輸注し、GVHDモデルとした。移植後day7、day14、day21、day28め症状と肝、消化管、皮膚の病理GVHD所見を呈した。組織の変化を経時的に把握し、病理組織所見はスコア化した。症状、病理組織ともにday7以降GVHD所見を呈した。2.モデルマスの血清プロテオミクス移植前、day7、day14、day21、day28に血清採取し、前処理後にSELDI-TOF-MSにて網羅的解析を行った。これらの結果をクロスバリデーション法により検討したところ、GVHD群(da7、da14、day21、day28)とコントロール群(移植前)との分類に有用なpeakが得られた。このpeakはGVHDモテルでda7以降有意な上昇を認めており、病理組織スコアが最高値に達する以前から高いpeak intensituを呈していた。なお、GVHDを発症しないsyngeneicの移植においては有意な変化を認めなかった。また、免疫抑制剤による治療を行ったGVHDモデルにおいては、投与後に症状の軽減とともに意なeakの低下が認められた。以上よりこのpeakは早期診断、治療効果判定ともに利用できる可能性が示唆され、病態マーカーのcandidateとした。3.candidateの同定このcandidateをimmunochromatography、RP-HPLC、2D-PAGEを用いて分離精製し、LC-MS/MSによって同定した。4.ヒトサンプルにおける検討マウスモテルにおいて同定された病態マーカーのヒトにおける有用性を現在検討中であり、今後ヒトでの診断システムの確立を目指す。本研究の成果は、特許出願を念頭におき準備を進めている。