Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
これまで我々は、臍帯上皮では表皮に類似した分化関連蛋白の発現を認め、臍帯から上皮細胞を分離培養し線維芽細胞を埋没したコラーゲングル上で三次元培養を行うことにより、表皮角化細胞同様に重層化させることが可能であることを報告し、さらにコラーゲングル上で単層培養した臍帯上皮細胞をヌードマウスの皮膚欠損部に移植した場合においても、角化細胞同様に10層前後に重層化し表皮類似の構造を形成しうることを報告した。また、表皮を除去した真皮成分上で培養した臍帯上皮細胞はコラーゲングル上で培養した時に比較して、より重層化しやすく、また、免疫染色にてより強い基底膜構成蛋白の発現を認めた。H18年度は単層培養下での臍帯上皮細胞の各種ケラチン発現について免疫染色及びRT-PCRを用いて表皮角化細胞と比較検討を行った。その結果、培養臍帯上皮細胞では低カルシウムの培養条件下で単層上皮型ケラチンに加えて皮膚型ケラチンK5/14及び皮膚分化型ケラチンK10の発現を認めた。近年、中枢神経をはじめとしたさまざまな臓器・組織の発生や個体維持にNotchシグナルが重要な役割を果たしていることが分かってきた。そこで今後は、in vivo及びin vitroにおけるNotch receptorの発願について検討していく予定である。