不安反応におけるCRFファミリーペプチド/受容体とニューロステロイドの役割の解明
Project/Area Number |
17790822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
眞野 あすか Nippon Medical School, 医学部, 助教 (50343588)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | CRFファミリーペプチド / ストレス / 抗不安ステロイド / 視床下部 / 不安調節 / ニューロステロイド / 生理活性 |
Research Abstract |
本研究ではストレス反応機構において中心的な役割を担っているCRFファミリーペプチドであるUcn(urocortin)1、Ucn 2、 Ucn 3、それらの受容体であるCRF1型(CRFR1)および2型受容体(CRFR2)と抗不安作用を持つAP(allopregnanolone)とのストレス応答における相互作用について明らかにすることを目的とした。 今年度はラットを用い、1時間の拘束ストレス負荷30分前にAP(5mg/kg)を投与し、ストレス開始から90分後に断頭し、採取した視床下部からRNAを抽出し、Ucn 1、 Ucn 2、 Ucn 3、 CRFR1、CRFR2およびAPの合成酵素である5α-reductase(SRD5α)mRNA発現をリアルタイムPCR法にて解析した。 Ucn 1のmRNA発現量はストレスによって増加し、この増加はAPの前投与によって抑制された。CRFR1、CRFR2、Ucn 2、Ucn 3 mRNA発現量はストレスやAP前投与による影響を受けなかった。SRD5αmRNA発現量はストレスにより減少し、この減少はAP前投与によって阻止された。 以上の結果からストレスによるUcn 1 mRNA発現量増加をAPが抑制することがAPの抗不安作用の一部に関与している可能性が考えられた。また、CRFR1、CRFR2、Ucn 2、Ucn 3 mRNA発現量は1時間の拘束ストレスによる影響を受けない可能性が示された。ストレスにより脳内のSRD5α活性が抑制されることが報告されているが、視床下部における発現量の変化はこれまでに報告されていたい。SRD5αmRNA発現量が減少し内因性のAP活性が抑制されることで視床下部への抑制性GABA入力が減少し、視床下部-下垂体-副腎系の活性化が誘導される可能性が考えられた。APの前投与により視床下部のAP濃度が保たれることがストレスによるSRD5α mRNA発現量の減少を阻止する可能性も考えられた。今回得られた結果は、視床下部-下垂体-副腎系のストレス応答における抗不安ステロイドの作用様式や内因性抗不安ステロイドの制御機構を明らかにする上で重要な結果であると考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)