Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Research Abstract |
近年,肺悪性腫瘍に対する低侵襲な治療法として,経皮的ラジオ波凝固療法の応用が注目されているが,胸膜炎を始めとする胸膜の合併症が報告され問題となっている.今後,肺腫瘍に対するラジオ波凝固療法を確立していく上で,胸膜への影響を検討することが不可欠と考え本研究を企画した. 今回,家兎を用いた実験により経皮的ラジオ波凝固療法を施行した.使用したラジオ波発生装置はRF2000(RTC社製),使用した電極針はLeVeen(Boston Scientific)電極針17G(シャフト長15cm,展開径2cm,電極針8本)で,全身麻酔,局所麻酔を施行後,X線透視ガイド下に胸膜直下の肺へ穿刺.焼灼部位の熱凝固を示すroll-offの状態まで通電を行った.治療直後,翌日,3日後,2週間後,3週間後に肺を摘出し,肉眼的・組織学的所見を得た.また,免疫組織学的染色(tunel染色)により組織のviability,アポトーシスの有無を評価した.肉眼所見では,焼灼範囲の臓側胸膜面は茶褐色に変色していた.一方,相対する壁側胸膜には異常は認められず,ラジオ波凝固療法による壁側胸膜への影響は少ないものと考えられた.焼灼直後の組織において,HE染色では電極針により物理的に破綻した穿刺部位を除き,焼灼範囲における臓側胸膜の組織変化には乏しかったが,tunel染色では多くの細胞が陽性を示し,広範な細胞死に陥っているものと推測された.ただ,2・3週間経過した組織においては,胸膜が破綻し肺が表面に露出するようなことはなく,逆に著明な胸膜肥厚を来しており,組織の修復機転が作用したものと考えられた。
|