乳癌におけるHER2-PI3K-Akt経路の系統的解析と新しい治療標的の探索
Project/Area Number |
17790893
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳永 えり子 Kyushu University, 大学病院, 特任講師 (50325453)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 乳癌 / HER2 / PI3K / Akt / 治療標的 / PTEN / PR / ホルモン受容体 / ホルモン治療 |
Research Abstract |
Aktは細胞の増殖、生存に関与し、HER2など膜受容体型チロシンキナーゼを介したPI3K活性化や癌抑制遺伝子PTENの機能異常により活性化される。Aktの活性化した癌細胞はさまざまな治療に抵抗性であることからこの経路の制御は新たな治療標的として非常に注目されている。我々は252例の原発性乳癌患者においてAkt活性化とHER2、ホルモン受容体発現、臨床病理学因子との関連を解析した。その結果、Akt活性化は33.4%の症例で認められ、HER2発現と有意に相関し、PR発現と逆相関していることが明らかになった。さらに術後ホルモン治療を受けた患者においてはAkt活性化を認める症例で有意に予後不良であることが明らかになった(Int J Cancer.118:284-9,2006)。次に我々は36例の転移性乳癌を対象にAkt活性化とホルモン治療効果との関連を解析した。Akt活性化症例ではホルモン治療の臨床的効果および奏効率ともに有意に低いことが示された。ホルモン治療の種類に関してはアロマターゼ阻害剤、LHRHアゴニストなどエストロゲン枯渇をさせる治療においてはAkt活性化症例で有意に臨床効果が低く、タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤でもAkt活性化症例で臨床効果が低い傾向が示され、ホルモン治療の種類に関係なくAkt活性化がホルモン治療抵抗性に関与していることが示された(Eur J Cancer,42:629-635,2006)。さらに原発性乳癌においてHER2過剰発現とPTEN LOHはAkt経路を活性化させ、PR発現を減弱させることを明らかにした(Breast Cancer Res Treat 101:249-257,2007)。以上の結果から、PI3K/Akt経路の活性化はホルモン治療抵抗性の一因となることが示唆され、PI3K/Akt経路を抑制することによるホルモン治療抵抗性克服が期待される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)