Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
今年度、我々は骨髄幹細胞から微小重力環塊下に肝臓を分化誘導するための準備実験として、以前から行なっているhanging drop culture培養系でのembryoid body (EB)を用いた、多能性を有する胚性幹(ES)細胞から肝細胞への分化誘導に関する研究を行った。hanging dropにて5日間培養してEBを作製した後、outgrowth cultureによりES細胞の分化誘導を試み、肝細胞特異的に取り込まれるindocyanine green (ICG)試薬がES細胞由来の肝細胞の同定に有用であるかどうかを検討した。その結果、ICG陽性細胞は免疫組織化学染色でalbumin陽性を示す三次元構築をもつ細胞群として分化することを突き止めた。この細胞群をRT-PCRで解析したところ、肝細胞markerであるalbumin,α-fetoprotein, transthyretin,α-1-antitrypsin, glucose-6-phosphatase,および内胚葉マーカーであるHNF-3βの発現を認めた。さらに、電子顕微鏡を用いた形態学的解析では、細胞質内に多数のER, lysosomes, Golgiの存在が明らかとなったほか、cell-cell contact (desmosomes)およびbile canahculusも確認された(Stem Cells,2002;20:146-154)。さらに我々は、EBの培養目数を6日間に延長した実験系によりES細胞から蠕動運動能を有する腸管の分化誘導にも成功した。電気生理学的にも解剖学的にも(粘膜上皮、平滑筋、ICC、神経細胞)腸管特異的な特徴を有していた(Stem Cells, 2002;20:41-49)。以上、培養期間が臓器発生に及ぼす影響を報告することが出来た(Frontiers in Gastroenterology,2006;10:262-270)(Nonhuman Embryonic Stem Cell Protocols, Vol. II Diffferentiation Models, Methods in Molecular Biology, Humana Press Inc., Totowa, New Jersey 2006;330:263-278)。発生学的に肝臓が原腸から分化することを考えると、これらの結果は今後、骨髄幹細胞から微小重力環境下に肝臓つくるという命題にとって大変重要かつ画期的な発見であると考えられる。現在、実験計画申請書に記したように、微小重力環境下に肝臓の分化誘導を行い、重力が臓器分化誘導に及ぼす影響を検討中である。
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