Project/Area Number |
17790934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
川崎 浩資 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20399083)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | epidarmal growth factor / single nucleotide polymorphism / colorectal cancer |
Research Abstract |
【目的】大腸癌におけるepidarmal growth factor(EGF)の遺伝子多型(single nucleotide polymorphism : SNP)の臨床的意義を解明することを目的に検討を行った。【対象】1999年から2001年(期間(1):136例)および2005年(期間(2):86例)に、当院で外科的切除を受けた初発大腸癌222症例を対象とした。【方法】EGF遺伝子の5'末端非翻訳領域のposition+61を標的としたprimerを作成し、新鮮凍結標本(期間(1)症例)および血液(期間(2)症例)から抽出したDNAをもとに塩基配列を同定した。また期間(2)症例においては血漿中のEGF濃度をELISA法にて測定した。【結果】対象はA/A:14.4%(32/222)、G/A:31.1%(69/222)、G/G:54.5%(121/222)の3つのgenotypeに分類された。まず期間(2)の86例について術前血漿中EGF濃度を測定したところ、A/A(101.6±66.5pg/ml)は他のgenotypeに比べて有意に低値を示し(G/A:301.1±254.6pg/ml,P=0.014およびG/G:306.0±288.6pg/ml,p=0.025)、同SNPが機能的な遺伝子多型である可能性が示された。また対象をA群(A/A)とB群(G/A or G/G)に分け、各臨床病理学的因子との相関について検討を行ったところ、腫瘍最大径や組織学的病期など発見時の癌の進行度に関しては、両群間に有意な差を認めなかった。しかし観察期間が5年以上経過した期間(1)の136例についての検討では、5年生存率はA群:50.6%(21例)、B群:68.2%(115例)とA群が有意に予後不良であった(p=0.03)。さらに根治術が施行されたstageIIIa以下の症例(95例)において、A群(17例)は有意に再発率が高く(A群:51.8%,B群:37.9%,p=0.02)、5年生存率も有意に不良であった(A群:63.0%,B群:90.9%,p<0.001)。【考察】EGFの同A-G SNPは機能的な遺伝子多型であり、大腸癌における再発および予後不良の予測因子になる可能性が示されたが、今後症例数を増やし検討を行うとともに、そのメカニズムについての解明が必要になると考えられた。
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