Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成18年度は、前年度に抗原刺激による内因性IL-18産生が、気道上皮細胞由来であることが確認できたため、腸管上皮細胞においても同様のことが起こりうるかの検討をすすめた。OVAによって誘導された腸管炎症モデルの作成:これまで作成した生体内にOVA特異的メモリーTh1およびメモリーTh2細胞を有するマウスにOVAとIL-18を経口投与し、腸管を採取。腸管粘膜を組織学的に検討し、腸管炎症の誘導をTh1メモリーマウスおよびTh2メモリーマウス各々について検討した。経口投与にては、下痢などの腸炎症状はみとめず、組織学的にも粘膜に炎症所見は認められなかった。投与量増加および投与期間延長をして再度検討したが、コントロール群とTh1メモリーマウスおよびTh2メモリーマウス群に腸管粘膜には炎症所見が認められず、組織学的に差が認められなかった。また、各群のOVA投与後の血清中IL-18をELISAにて測定したが上昇は認めなかった。小腸粘膜にはムチンを含んだバリア層があり、気道と比べ面積も広く、小腸内容物で希釈されること、腸管蠕動もあることより、抗原暴露期間が短くなることが原因の1つと考えられた。OVAの腸管からの吸収が十分にされるかの検討も必要と考えられた。経口摂取では、十分な刺激が腸管粘膜には入らないと考え、経口投与から注腸投与に変更し、腸管炎症モデルの作成をおこなっているところである。