Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
我々は、樋野教授(病理・腫瘍学講座)及びIBL(免疫生物研究所)との共同研究として、この2年間に、主に、N-ERC/MesothelinのELISA系の開発と胸膜中皮腫における臨床的有用性を検討した。ヒトELISA系の開発に関しては、最初に開発したELISA(7-4)について、国際学会や論文で報告した(Cancer Sci 2006; 97(9):928-932。2006年9月29日癌学会(横浜)、2006年10月29日International Mesothelioma Interest Group(US、Chicago))。また、現在、さらに感度、特異度のいいELISA(7-16)の開発に成功し、現在、下記の症例を用いた論文を作成中である。臨床に関しては、2005年8月、全国に先駆けて「アスベスト・中皮腫外来」を開設し、症例集積を開始した。現在は多施設共同臨床試験(全国9施設)の形で症例集積を行っている。現時点で、500例(ボランティア102例、中皮腫61例、良性胸膜炎14例、石綿肺6例、胸膜肥厚105例、曝露83例、肺がん30例、その他(胸水または胸壁に腫瘤を有し、中皮腫と臨床上鑑別を要する疾患、)など)を超える症例を検討した。また、肺がんに関しては、中皮腫と異なる染色様式を示すことから、今後、臨床情報との関連を検討する必要がある。今後は、(1)血中N-ERC/Mesothelinと臨床及び病理組織像との関連、(2)他の中皮腫腫瘍マーカー(OPN、CA125、Cyfraなど)との比較及び組み合わせの検討、(3)発がんに関する遺伝子解析、(4)中皮腫細胞と正常細胞での細胞膜表面ERC/Mesothelin分子の違いの検討、(5)早期診断の可能性の検討(蛍光内視鏡の使用など)を行い、将来的には、低侵襲かつ有効な治療法の確立を目指している。
All 2006 Other
All Journal Article (2 results)
Cancer Sci 97・9
Pages: 928-932
10018767738
Cancer Sci (in press)