Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
下垂体腺腫は類洞構造を持つ血管豊富な腫瘍で,血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の発現も亢進していることから,血管新生能(angiogenesis)の高い腫瘍と言われている。18F-10B-fluoroboronophenylalanine(FBPA)はアミノ酸輸送のindicatorとして知られており,治療前にFBPA-PETを行って血管新生能を画像化し,治療後の腫瘍の再発や増大との相関を解析・評価することにより,下垂体腺腫の病態解明に大きく貢献するとともに,本法が治療方針決定のための機能的画像診断法となりうるか否かを検討することを本研究の目的とした。 平成17〜18年度で,術前に下垂体腺腫と診断された3症例に対し,FBPA-PET撮影を行った。PETの撮像装置は西陣病院の現有の装置(HEADTOME III,島津製作所製)を使用し,FBPAは同施設にて独自に合成する。FBPA静注後ダイナミック撮影を行い,腫瘍への平均集積カウントを健常灰白質のそれで除した腫瘍灰白質比(T/N)を測定し,腫瘍へのFBPA集積度の指標とする。MRI撮像を行った後,専用のsoftwareを用いて腫瘍体積の計測を行う。手術で摘出した腫瘍組織を対象に,formalin固定後paraffin包埋した標本に対し,免疫組織化学的手法を用いてMIB-1 indexおよびVEGF発現度を測定する。さらにわれわれの開発したVEGF/HCGのポジトロン標識antisense probeを用いて,脳腫瘍切除切片におけるVEGF/HGF mRNA発現を画像化する。3例中2例では腺腫内にFBPAの集積を認め,他の1例では集積はみられなかった。上記3例に対するMRI画像上の変化についての検討では,全例で腫瘍再増大は観察されず,本研究期間内でFBPA-PET所見と臨床的腫瘍増大の有意な相関は認めなかった。免疫組織化学的変化およびin situ hybridizationの結果とFBPA-PETとの相関については現在解析中である。
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