T細胞アポトーシス回避による免疫賦活と癌特異抗原認識による新たな腎癌治療の構築
Project/Area Number |
17791090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
工藤 大輔 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20302036)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | T細胞アポトーシス / 腎癌 / 免疫抑制 / 血清サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では腎細胞癌(RCC)がT細胞をアポトーシスへ誘導する際にヘルパーT細胞比のTh1/Th2バランスがTh2に傾くことを確認するためH17年度から引き続き以下の検討を行い有意義な結果が得られた。 1.免疫組織染色による腫瘍浸潤T細胞CD4,CD8分布の解 腎摘除標本をCD4(Novocastra社monoclonal ab),CD8(DAKO社monoclonal ab)抗体により免疫組織染色を行い、腫瘍浸潤T細胞の分布と染色の程度を解析したところ、転移症例ではCD4,CD8ともに染色の強さが減弱した。 2.マルチサイトカイン測定キットによる患者血清サイトカイン測定 進行性RCC患者(n=30)の手術前後の各種サイトカイン濃度を同じ血清サンプルから同時に測定した。結果、静脈浸潤(-)群では臨床的に進行している静脈浸潤(+)群に比べ、IL-2,IFN-γのTh1サイトカインが強く検出された。また骨または肝転移(+)症例ではTh1サイトカイン誘導はほとんど検出されなかった。つまりTh1細胞はIL-2,IFN-γ、TNF-αをそれぞれ産生するため腎摘によりTh1側ヘシフトし、腎癌抗原認識のための細胞性免疫能が活性化されたと考えられる。 3.転移症例におけるインターフェロンα投与前後における比較 インターフェロンαを投与し転移巣が縮小または不変(臨床的に効果有り)の症例において、細胞性免疫応答がどのように修飾されているかを確認するため腎細胞癌患者末梢血おけるCD4/CD8比をフローサイトメトリーにて解析を行った。結果腎癌転移巣が不変の症例においてCD8陽性細胞の増加が有意に観察され、細胞性免疫の活性化が起こっていることが確認された。以上よりインターフェロンαが臨床的有効性を示す理由として、免疫学的に適切な症例に投与された可能性が考えられ、今回の研究実績をもとに治療前の細胞免疫状態を上記方法により解析し個別的な術後補助療法の選択に有用となる可能性が示唆された。将来の臨床応用も見据えながら推進していきたいと考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)