頭頚部癌における新たな治療標的としてのインテグリン細胞接着分子機能の解明
Project/Area Number |
17791152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丸屋 信一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90396408)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | インテグリン / simvastatin / 頭頸部癌 / 頭頸部扁平上皮癌 |
Research Abstract |
本研究において、われわれは抗コレステロール薬であるsimvastatinが頭頸部扁平上皮癌の増殖・浸潤を阻害することを見出した。Simvastatinは培養下で癌細胞の接着を阻害し、インテグリンファミリーの一つであるβ1-インテグリンの発現低下を来たし、その下流のシグナル分子であるfocal adhesion kinase(FAK)とextracellular sugnal-related kinase(ERK)の不活化と癌抑制潰伝子のp21、p27の活性化を引き起こしていることがWestern blot及びRT-PCR法を用いた解析で明らかとなった。Simvastatinは濃度依存性にcell viabilityを抑制し、10μMの濃度で10%以下まで低下し、アポトーシスのマーカーであるactive caspase-3の有意な発現亢進、フローサイトメトリーによる解析でG1/S期における細胞周期停止が見られた。Matrigel invasion assayによる解析ではsimvastatinがin vitroで有意に癌細胞の細胞外基質への浸潤及び遊走を抑制していることがわかった。cDNAマイクロアレイ解析においてもsimvastatinによる細胞増殖分子、DNA合成酵素、インテグリン関連分子の発現低下、及び、アポトーシス関連分子の発現上昇がかくにんされた。これらのことから、抗高脂血症薬であるsimvastatinが細胞膜における細胞外基質との接着レセプターであるインテグリンの発現を阻害することによって、細胞間及び細胞外基質との接着を阻害し、癌細胞の増殖・浸潤を抑制し、今後の癌治療に寄与する可能性を示唆したものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)