Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成17、18年度において、小児急性中耳炎患児のウイルス検索を行い、小児急性中耳炎への呼吸器系ウイルスの関与について検討した。すなわち、10歳以下の急性中耳炎患児1092症例(男児647例、女児445例、平均1.35歳)を対象に、鼻咽腔拭い液および中耳貯留液から細菌、ならびにウイルスの分離同定を試みた。その結果、360例(33%)から何らかの呼吸器ウイルスが検出され、そのうちRSウイルスが鼻咽腔ぬぐい液および中耳貯留液から最も高頻度に検出されることを明らかにし報告した。これらの結果から、平成19年度は、RSウイルス感染症を発症した際の急性中耳炎合併頻度等を検討した。対象は、東北労災病院小児科においてEIA法によりRSウイルス感染症と診断しえた患児230例とした。急性中耳炎の合併は、RSウイルス感染症患児230例のうち120例(52%)と半数以上で認められた。特に2歳未満のRSウイルス感染症患児では73%に急性中耳炎の合併を認め、2歳以上の29%に比べ有意に高く、2歳未満という年齢はRSウイルス感染症における急性中耳炎合併の危険因子であることが明らかとなった。さらに中耳貯留液中のRSウイルス抗原についてEIA法を用いて検索したところ、約70%の症例で陽性であった。すなわち、小児RSウイルス感染症は、半数以上で中耳炎を合併し、そのうち約70%はRSウイルスを起因とする中耳炎であり、RSウイルス感染症が急性中耳炎発症に非常に関連深いウイルスであることが明らかとなった。
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