オルソケラトロジーが角膜上皮、涙液成分、角膜知覚に及ぼす影響に関する基礎研究
Project/Area Number |
17791219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平岡 孝浩 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (30359575)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | オルソケラトロジー / 角膜知覚 / 角膜透過性 / 細胞間接着構造 / 高次波面収差 / コントラスト感度 / 近視矯正量 / 偏心量 / 角膜組織標本 / 免疫染色 / 電子顕微鏡 / Dk値 |
Research Abstract |
オーバーナイトオルソケラトロジー治療6眼において、治療前後の屈折、視力、角膜形状解析、眼球高次波面収差、コントラスト感度、夜間視機能、瞳孔径、そして満足度についての評価を行った。その結果、様々な新知見が得られたが、まず、治療後にコントラスト感度は有意に低下し、この低下量は眼球高次収差の増加量と有意に相関することが判明した。また高次収差はコマ様収差、球面様収差のいずれもがコントラスト感度の低下量と有意に相関した。これらの変化量は近視矯正量とも有意に相関し、近視矯正量が大きくなるに従って収差は増え、コントラスト感度は悪化するという図式が浮き彫りとなった。さらに夜間視機能として薄暮時コントラスト感度を測定したところ、やはり治療後に有意な低下を示し、収差と近視矯正量と有意に相関したが、瞳孔径との相関は認められなかった。次にトポグラフィーから得られたマップ上で、治療後の扁平化領域の偏心量と偏心角度を測定した。そしてこの指標の収差や視機能との関係を検討したところ、まず偏心量は近視矯正量と有意に相関し、また偏心量は高次収差、コントラスト感度と有意に相関することが明らかとなった。つまり治療により矯正された領域が偏心すると眼球の光学特性は悪化し、視機能にも悪影響を及ぼすことが示唆され、偏心の方向としては耳側下方への偏位が主体であることも判明した。治療に対する満足度は、近視矯正量、裸眼視力、高次収差、コントラスト感度と相関することが分かったが、多変量解析にて近視矯正量と裸眼視力が大きく寄与することが明らかとなった。さらにコントラスト感度の低下が経時的に持続するのかについて、12ヶ月までの経過について検討したところ、経時的な有意差はみられず、つまり一度低下したコントラスト感度は治療を継続している限り、ほぼ一定の水準で経過することが分かった。治療中止により収差が元の状態に回復するか否かの検討も進めている。昨年度に行った角膜知覚の研究と角膜透過性、角膜上皮細胞間接着構造の研究についてもデータの蓄積をさらに行い、詳細な検討を進めている。これらの成果の多くは学会で発表済みであり、論文も一部アクセプトされた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)