Project/Area Number |
17791327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40316154)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ニコチン / アンジオテンシンII / ピロカルピン / ノルアドレナリン / 脳弓下器官 / MRI / ヒト全唾液 / 唾液腺 |
Research Abstract |
我々は数年前、飲水行動や自律神経系の調節に関与する中枢神経核の脳弓下器官神経が喫煙後に達するとされる低いニコチン濃度によって活性化するという報告(Onoら,2003)と中枢ニコチン刺激にてラット歯肉血流量が減少するという報告(Nakamuraら,2005)を行った。この結果から中枢でのニコチン作用が口腔機能に影響を与える可能性が示唆された。麻酔下ラットにおいて、中枢ピロカルピン投与によるムスカリン刺激にて唾液分泌が促進するという報告があることから、中枢ニコチン刺激が歯肉血流量だけでなく、唾液分泌にも影響を与えるのではないかと予想した。しかし、過去の麻酔下の実験で使われていたピロカルピンの中枢投与量は高すぎて、覚醒下のラットではしばしば死に至り、適切な低い濃度を中枢投与したが、飲水行動は誘発されたものの、唾液分泌の促進は観察されなかった(Satoら,2006)。ピロカルピン同様、ムスカリン受容体アゴニストであるセビメリンの中枢投与でも同様の結果を得た(Satoら,2007)。これは残念ながら中枢を介した唾液腺機能修飾の可能性は低いことが示唆される。予備実験的に中枢ニコチン投与後の唾液分泌を測定したが何ら変化はなかった。この実験:上でニコチン中枢投与後の予想外の結果を我々は得た。ムスカリン刺激では引き起こされる飲水行動がニコチン刺激ではほとんど誘発されなかったのである。この結果は我々がin vitroで確認している結果と大きく矛盾し、もしかするとニコチン中枢投与は脳弓下器官に十分な刺激を与えていない可能性が考えられた。そこで神経興奮の指標となるc-fosの免疫染色を行ったところ、ニコチン中枢投与後において脳弓下器官でのc-fos陽性細胞数は増加していた(Onoら,2007)。よって、一つの仮説として脳弓下器官のニコチン感受性ニューロンは飲水行動に特異的に関与しない可能性が考えられる。さらに、我々は、ヒトにおける新しい唾液分泌能の評価法を開発した(Onoら,2005;Inoueら,2005)。この実験の中で、喫煙者と非喫煙者の間に唾液分泌能・成分等に差がないかを調べたが、現在のところ統計学的に有意なパラメーターはみつけていない。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)