Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
昨年度までの研究で、菌体膜耐久性について、E.faecalisはS.mutansと同等の耐酸性とS.mutansよりも高い耐アルカリ性を持つが、エネルギー獲得に必要な糖代謝能(酸産生活性)の耐酸性はS.mutansよりも低く、更に耐アルカリ性は共に高いことが明らかとなった。今年度は、プラーク細菌の酸産生阻害効果が既に知られているフッ素およびタンパク変性作用を有するエタノールを用い、酸性環境からアルカリ環境における糖代謝阻害効果について比較・検討した。【方法】嫌気培養したE.faecalis JCM8728、S.mutans NCTC10449にフッ化カリウム(F:0-10mM)または99.9%エタノール(E:0-4%)を加え、10mMグルコース添加時のpH5.0-10.00における酸産生速度を、嫌気条件下でpHスタット装置を用いて測定した。【結果と考察】pH5.0(F:0.2mM)での酸産生活性は、E.faecalis、S.mutans共に0%(F:0mM、E:0%での酸産生速度を100%とした。以下同様)を示したが、pH9.0では共に100%を保持した.一方、pH5.0(E:3%)での酸産生活性は、E.faecalis、S.mutans共に80%を保持したが、pH9.0ではそれぞれ19%と66%を示し、更にpH10.0ではそれぞれ0%と27%に低下した。以上のことから、う蝕病巣のように糖が多量に供給され低pHが持続する環境ではフッ素による細菌の糖代謝阻害が有効であり、水酸化カルシウム製剤(pH12.4)を貼薬してもなお難治性感染根管を呈する環境では、低濃度エタノールによる細菌の糖代謝阻害が有効であり、さらに菌体膜融解による細胞死が示唆された。
All 2007 2006 2005
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)
Interface Oral Health Science 2007 1
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