Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
近年,光重合型レジンの歯質接着システムは,接着技術の向上から臨床使用頻度が増加している。しかし,長期的な予後に関しては,表面磨耗,着色,脱落あるいは内部の微小欠陥などが問題とされ,それぞれに対する臨床的対応について報告されている。一方,歯質との接合界面に生じる可能性のある劣化を検出する方法は皆無であり,何らかの臨床症状からその存在を予測しているのが現状である。 そこで,これら歯質接着性システムと被着歯面とに生じた欠陥の検出法に関する研究として超音波パルス法を応用したところ,接合界面近傍における劣化の検出は可能であり,歯質に対する修復物の寿命予測を行うことが可能であることが示唆された。 さらに詳細な検討を進めるため,現在の研究では,単一トランスデューサーを用いて研究を行ってきたが,医学,工学分野で応用されてきている128個のトランスドユーサー内蔵型のフェーズトアレイ探触子を用いてレジン修復物内部の欠陥検出を検討した。 その結果,超音波フェーズトアレイ法が従来から研究している超音波パルス法と同様に,硬組織の超音波測定に有効であった。これまでの研究から,光重合型レジンの歯質接着システムにおける各部材の音速値を応用することによってレジン修復物と歯質との問における微小な欠陥の検出あるいはその欠陥の位置の推測が可能であった。このことから,医学分野において疾患の診査および診断にエコー法やドプラー法として頻用されている超音波診断法が,歯科領域のとくに歯質接着システムを用いた界面付近における欠陥や劣化の検出にも有効であることが示唆された。
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