Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
歯牙欠損に対する様々な補綴治療は機能や審美を回復するが,これらは食事・会話・外見に密接に関連するため,歯科医師はこれらクオリティー・オブ・ライフ(QOL)を視野に入れて治療法の選択を行わなければならない.しかし白本において,口腔に関連するQOLの評価法として決定的なものはない そこで,まず,第一に日本におけるQOL評価法の確立を目的とし,元となる英語版アンケートの吟味・選択を行った.その結果,口腔関連のQOLを評価するアンケートとして国際的に広く用いられているOral Health Impact Profile(OHIP)を選択した.また翻訳は,文化の適合をするために,国際的に広く用いられているガイドラインにしたがって,Forward translation, Back translation,専門委員会によるレビューを経て行った. 続いて翻訳した日本語版OHIPについて,妥当性と信頼性の評価を行った.Content validity(内容妥当性)について調査した結果,日本語版OHIPには新たに5つの項目が追加された.また,convergent validity(収束的妥当性),groups Validity(既知集団妥当性)の評価を行い,Construct validity(構造概念妥当性)を検証した.義歯装着前後のスコアを比較してResponsiveness(反応性)の検証を行った.信頼性についてはtest-retest reliability(再テスト信頼性)とinternal consistency(内的整合性)について検証を行った.その結果として,口腔に関連するQOL調査のスタンダードとなり得る,使いやすく信頼性の高いアンケートを作成し,歯科領域におけるQOLの評価方法を確立することができた.口腔関連のQOLを正しく評価し,そのデータを蓄積することが出来れば,より患者満足度の高い治療法を選択し,また治療効果の予測や判定に用いることができる.このアンケートは補綴領域のみならず歯科領域全般で使用でき,その有用性は高い.今後,短縮歯列の治療の必要性や治療効果が明らかになれば,医療効率の上昇につながる.
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