Project/Area Number |
17791444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中村 美喜子 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (50377462)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 口腔癌 / 腫瘍細胞増殖能 / FDG-PET / 低酸素環境 / 血管新生 / HIF-1 / cyclin D1 / 免疫組織科学 |
Research Abstract |
研究目的:1.口腔癌における糖代謝活性(FDG-PET)と血管新生、低酸素環境との関連性の検討 腫瘍の増殖、転移には血管新生が深く関与していると考えられているが、悪性腫瘍では血管新生が腫瘍の増殖速度に追いつかず基本的に低酸素状態を示す。癌は低酸素下であっても嫌気性代謝が亢進し、高い適応能力を有している。その適応応答の鍵となる因子の一つが低酸素誘導因子Hypoxia inducible factor-1 (HIF-1)で、低酸素下で安定し、嫌気性代謝、血管新生、グルコース輸送などを促進すると言われている。そこでPET画像、癌組織におけるCD34による血管新生、HIF-1発言、予後との関連を明らかにする。 結果:・SUV値が高いほど有意に単位面積あたりの微小血管数、周囲長和が少ない。 ・HIF-1陽性率10%未満;14症例(grade0)、10%以上;15症例(grade1) ・未治療の口腔扁平上皮癌におけるFDG-PET画像でSUV値が高値を示す場合、HIF-1αが過剰発現していた(p=0.0088)。予後との間に相関関係はなかった。 ・pre-post SUV(放射線併用動注化学療法前後でのSUV値の差)とHIF-1 gradeとの間に正の相関関係を認めた(p=0.00186)。HIF-1の過剰発現は放射線治療、化学療法の奏効を障害すると言われているが、当科での治療ではHIF-1α発現量が高い腫瘍においても十分に治療が奏効することが示唆された。 研究目的:2.口腔癌の糖代謝活性と腫瘍細胞増殖能との関連性の検討 サイクリンはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を複合体を形成して細胞周期進行におけるCDK活性を調節するタンパク質である。その中のサイクリンDは外界からの増殖刺激を受けてG1期に発現し、CDK4/6と結合して細胞周期をS期に移行する。各領域の悪性腫瘍においてサイクリンD1が過剰発現することが知られており、リンパ節転移との関連性を示唆する報告も見られる。口腔癌における糖代謝、サイクリンD1発現を指標とした腫瘍細胞増殖能について比較検討する。 結果:・Cyclin D1陽性率10%未満;15症例(grade0)、10%以上;14症例(grade1) ・Cyclin D1の発現とFDG-PETにおけるSUV値との間に相関関係はなかった。 ・再発転移症例ではCyclin D1の発現が高いことが示された(p=0.0131)。このことからCyclin D1は単独で再発転移の予測因子になりうると考えられた。
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