Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
咬筋の筋痛は顎関節症やブラキシズム患者において出現し、難治性の場合が多い。しかし、咬筋の筋痛発生のメカニズムは不明な点が多い。臨床的に過度の筋収縮が咬筋の筋痛を引き起こすと考えられている。現在、知覚ニューロンにおいてATP受容体の一つであるP2X_3受容体が痛みの伝達に重要な役割を果たすことがわかっている。私はラット咬筋筋痛モデルを作成し、P2X_3受容体の役割を検討した。 1.ラット咬筋筋腹にα,β-meATP(P2X_<1,3,2/3>受容体作動薬),β,γ-me-L-ATP(P2X_1受容体作動薬)またはα,β-meATP+PPADS(P2X_<1,2,3,5,7,1/5,2/3>受容体拮抗薬)を投与し、30分後咬筋に対する圧痛閾値を計測した。圧痛閾値はラットの咬筋部に側方から圧を加え、逃避行動を起こしたときの圧力とした。 α,β-meATPの投与により圧痛閾値が低下した。また、α,β-meATP+PPADSの共投与により圧痛閾値の低下は妨げられた。さらにβ,γ-me-L-ATPの投与により圧痛閾値に変化は見られなかった。 2.ラット咬筋に双極刺激電極を刺入し30min/day電気刺激を加え持続的筋収縮状態にし、咬筋の圧痛閾値の変化を経時的に観察した。電気刺激開始2週間後、PPADSを咬筋筋腹に投与し圧痛閾値を計測した。同時に、あらかじめ咬筋に投与された逆行性トレーサーにて標識された三叉神経節におけるP2X_3受容体の発現を免疫組織化学的に検索した。持続的咬筋筋収縮により咬筋の圧痛閾値は低下し、PPADSの咬筋筋腹投与により、圧痛閾値は回復した。また咬筋の知覚神経におけるP2X_3受容体陽性細胞数が増加した。 以上の結果より、P2X_3受容体が咬筋の圧痛および持続的筋収縮により引き起こされる機械的痛覚過敏に関与していることが示唆された。
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