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骨組織の成熟過程におけるマスピンの役割に関する分子細胞生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 17791467
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Surgical dentistry
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

徳山 麗子  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (20380090)

Project Period (FY) 2005 – 2006
Project Status Completed (Fiscal Year 2006)
Budget Amount *help
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Keywordsマスピン / TGF-beta / セリンプロテアーゼインヒビター / 細胞外基質 / 骨芽細胞
Research Abstract

マスピンは1994年zouらによりはじめて報告された42kDaのセリンプロテアーゼインヒビターであり、多くの正常組織においてその発現が確認されている。生物学的作用としては現在までに腫瘍抑制作用、血管新生抑制作用が知られている。これらの作用はマスピンがセリンプロテアーゼである2つのplasminogen activatorを阻害することにより発現すると考えられている。このことから本研究では、骨の成熟過程における細胞外基質中のTGF-bataがplasminにより活性化の制御を受けていること、plasminはplasminogen activatorによりplasminogenから変換されることに着目し、内軟骨骨化過程において、セリンプロテアーゼインヒビターの一つであるマスピンが骨形成やリモデリングにおいて何らかの生理的役割を演じている可能性に着目し、研究を進めてきた。昨年度報告したようにラット内軟骨骨化過程における骨芽細胞でのマスピンの発現を確認し、また培養骨芽細胞での発現も確認できたことから、マスピンが骨芽細胞においてin vivo, in vitro両方でmRNAレベルでもタンパク質レベルでも発現していることを確認した。さらにmaspin overexpression vectorを導入した細胞を用いてマスピンを過剰発現させることで細胞外基質中に蓄積されるTGF-beta量が増加し、骨関連遺伝子の発現が上昇し、マスピンの過剰発現が細胞外基質の成熟を促すような働きを持つことが示唆された。しかし培養期間が10日を過ぎて14日になるとコントロールとの成熟程度の差が認められなくなることから、マスピンの発現は正常細胞でも培養日数とともに十分な量が得られていることが示唆された。
そこで本年はマスピンの発現を低下させることで細胞外基質へそのような影響が出るかを調べた。まずマスピン蛋白質の機能抑制が細胞外基質中のTGF-beta蓄積量に及ぼす影響を検討するためにマスピンに特異的な中和抗体をROS 17/2.8の培養系に添加することにより、マスピン蛋白質の機能を抑制した。すると細胞外基質中に蓄積されるTGF-beta量はコントロールに比較して少なくなり、さらに骨関連遺伝子の発現にも遅れが認められた。さらに遺伝子レベルでの検討を行うためマスピン遺伝子発現を抑制するためにラットマスピン遺伝子をアンチセンス方向に挿入した発現ベクターを作製、これをROS 17/2.8にトランスフェクションし、クローニング、安定なマスピン遺伝子発現抑制株を得た。さらにラットマスピン遺伝子に対するsiRNAをROS 17/2.8にトランスフェクションし、マスピン遺伝子の発現を抑制した。これらの細胞を用いて培養中の細胞外基質のTGF-beta蓄積量についてELISA法により解析したところ、いずれにおいても細胞外基質中に蓄積されるTGF-beta量はコントロールに比較して低下傾向を示し、さらに骨関連遺伝子の発現も抑制された。以上により遺伝子レベルでも蛋白質レベルでもマスピンの発現抑制が骨芽細胞の細胞外基質成熟過程において成熟抑制に働くことが示唆された。前年度の結果と併せてマスピンは骨芽細胞の成熟過程において重要な生理的役割を担うことが示唆され、この結果は今後の骨組織全般の研究に大きな影響を与えるものと考えられ、今後臨床病態との関連をふまえた研究へと発展させていく。

Report

(2 results)
  • 2006 Annual Research Report
  • 2005 Annual Research Report

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Published: 2005-04-01   Modified: 2016-04-21  

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