口腔癌における抗癌剤耐性・感受性発現に関連する遺伝子・タンパクの解析
Project/Area Number |
17791480
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中谷 現 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70382348)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 口腔癌 / 癌化学療法 / 抗癌剤耐性 / 感受性 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
口腔癌の治療において、抗癌剤に対する耐性獲得は、臨床上大きな問題であり、今後の重要な課題である。本研究では、耐性獲得に関係する遺伝子発現を解析することにより耐性克服法を含めた診断、治療法の開発を目的として行っている。 口腔扁平上皮癌細胞株(H-1、Sa-3)にCDDPを添加した培養液を段階的に持続して接触させることで、新たにCDDP耐性口腔扁平上皮癌耐性株(H-1R、Sa-3R)を樹立した。MTT法により耐性度の測定を行ったところ、それぞれ約10倍の耐性度が獲得できた。これらのCDDP耐性細胞株とそれぞれの親株を対象に、千葉大学臨床分子生物学講座を中心とするグループにより開発された口腔疾患由来のcDNAをもとに構成されたin-house cDNA Microarrayを用いてCDDP耐性細胞株における遺伝子発現の変動をそれぞれ検討した。その結果、DNA修復や、アポトーシス、シグナル伝達に関連する遺伝子群の発現変動が確認された。発現亢進・減弱する遺伝子のうち、何種類かの遺伝子が感受性・耐性を規定する候補遺伝子としてリストアップされた。RT-PCRにてこれらの遺伝子の発現変動について検証実験を行ったところ、同様の結果を得た。候補遺伝子のうち耐性株で発現減弱がみられたCaveolin-1遺伝子についてCDDPを中心とした術前化学療法(CVP2経路動注化学療法)を行った口腔癌症例の生検時検体30例を用いて免疫組織学的検討を行った。その結果、非奏効(NC)群において7例中6例(85.7%)で発現低下がみられた。一方、奏効(CR)群では、20例中16例(80%)で発現を認めた。この結果より、CDDP感受性の予測因子としてのCaveolin-1の有用性が示唆された。 現在は、Affymetrix社のGene chipを用い、さらに1種類の耐性株(KB-R)を追加して、より多数の遺伝子を対象とした詳細な遺伝子発現解析を進めている。その結果、3種類のCDDP耐性株に共通して発現が変動する遺伝子が約20種類絞り込まれた。そのうち5個の遺伝子について臨床検体での臨床効果と遺伝子発現の関連を検索したところ有意差がみとめられた。さらに詳細な解析を進めている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)