Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
リンパ節転移の有無は口腔癌において,生命予後を決める重要な因子である.われわれは,口腔扁平上皮癌における,リンパ節転移制御因子の検索を行っており,これまでに培養細胞を用いたマイクロアレイ解析で,転移株と非転移株で発現が異なる9遺伝子(KAL1,HPGD, NDN, REGIA, CXCR4,SPOCK, DIAPH2,AIF1,VNN2)を同定した.本研究では,ヒト扁平上皮癌組織における,これら遺伝子の発現をTaqMan-PCRを用いて定量的に解析した.外科的に切除した70症例の癌組織より,RNAを抽出後,逆転写し,cDNAを合成した.合成されたcDNAを鋳型に,内部コントロールとしてGAPDHの発現を検索し,さらに,上皮系細胞の内部コントロールとしてサイトケラチン19(CK19)遺伝子の発現を検索した.今後の定量的検索のために,CK19の値がばらつかないように検体の濃度を調整し検索を進めた.TaqMan-PCRにより定量的に検索した9遺伝子の中で,リンパ節転移腫瘍と,非転移腫瘍で,有意な差がみられたのは,REG1,DIAPH2遺伝子であり,これら遺伝子の発現低下は,転移能の獲得に関連があることが示唆された.両遺伝子の発現は遺伝子産物を免疫染色により検出することにより,容易に検査することが可能であり,現在,前向き試験として,原発巣の遺伝子発現を生検組織で検索し,潜在的な転移能の有無を診断し,臨床にフィードバックしている.
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